「まさか窓があったとは」--。姫路市が18日に発表した姫路城の「幻の窓」。調査にあたった大天守設計監理事務所の加藤修治所長は記者会見で、発見当時の様子を声を弾ませながら振り返った。【渕脇直樹】 加藤所長によると、窓は6月に始まった外部の土壁の撤去中に見つかった。8月初旬、ぼろぼろになった6階部分の土壁をはがすうちに、溝があらわに。更に内側からはめ込まれた板壁を取り外すと敷居や鴨居(かもい)と思われる溝が現れた。加藤所長は「戸をはめていたのではないか」と思い、試みに他の窓の戸を取り付けてみるとぴったり収まったという。板壁(厚さ5~6センチ)は成人男性が3人がかりでないと持ち運べないほど重くて頑丈で、加藤所長らは「耐震補強の部材としたのではないか」と推測する。 幻の窓の存在は、「昭和の大修理」(1956~64年)でも確認されていたことが当時の記録を再検討した結果、明らかになった。しかし、公表し