主人公の家の隣に、ポーキーという とんでもなくイヤな子どもが住んでいるということは、 いかに9年前のことといえど僕は忘れずにいた。 けれど、その家族もまた、ポーキーに負けず劣らず とんでもない人たちだったということは すっかり忘れてしまっていた。 ポーキーには弟がいるが、 兄の非常識さにくらべると弟のそれはかわいく映る。 問題は両親だ。ポーキーにはお父さんとお母さんがいる。 ふたりとも、ポーキーに輪をかけて 常軌を逸しているように思える。 率直にいって、僕はこの一家がとても怖い。 たぶん、ポーキーひとりなら、 「おかしな悪ガキ」で片づけることができる。 そこにおかしな弟がいても、 「おかしな兄弟」ということで理解できなくはない。 けれど、それが「おかしな一家」となったとたん、 彼らに対する理解が危うくなってしまう。 母親はヒステリックで、しばしば暴力的に振る舞う。 そのくせ旦那を盲目的に信