患者家族が中心となって希少・難治性疾患の創薬を主導するプロジェクトがある。一般社団法人こいのぼりの「7SEAS PROJECT」だ。ミトコンドリア病にかかった義理の甥(おい)子さんと、生後半年で同病と診断され「余命半年」と宣告された娘さん、その患者家族の挑戦が社会的創薬へと向かっている。 こいのぼり設立の背景 「この病気は、治すための治療方法がありません。長くもって半年ほどです」と宣告されたとき、患者やその家族はどう考えるだろうか。通常はその病気のことを知るために情報を集め、「治らない」「死ぬのか」「なぜ自分が」と考える。そして、治療方法や薬ができるまで待つしかないと考えるものだ。 しかし、一般社団法人こいのぼり(愛知県豊田市、以下「こいのぼり」)の代表理事菅沼正司氏(医療法人菅沼医院理事長・院長)と、同理事で7SEAS PROJECT代表の篠原智昭氏は違った。治らないなら自分で研究を促進