原発事故で全村避難が続く飯舘村に、交流を続けるオーストラリアから移動図書館車が寄贈された。今月中旬から運行を始め、仮設住宅や村立小中学校を巡回して貸し出しに応じる。 村とオーストラリアは以前から畜産を通した交流を深め、震災後は、子供たちを派遣し合ってホームステイなどを体験させている。 ワゴン車を改造した図書館車は、同国政府機関の「豪日交流基金」などが購入資金を提供。「こあら号」と名付けられ、「出版文化産業振興財団」(東京都)寄贈の絵本や小説など計約1300冊を載せて走る。 村立小3校が入る川俣町の仮設校舎で開かれた記念式典では、ブルース・ミラー駐日大使が「読書を通して少しでも村民の心が安らぐことを願っています」とあいさつ。児童代表の村立草野小6年、菅野美奈さん(12)が「たくさん本を読んで学んでいきたい」と感謝の言葉を述べた。