放射線量がどれぐらいになったら安心して古里に戻れるのか。福島第1原発の過酷事故で放射能に汚染された地域の人々にとって非常に深刻な問題である。 政府は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき帰還の条件や除染の目標を定めているが、人々の納得が得られているとはいえない。帰還する人としない人の判断は分かれ、結果的に家族やコミュニティーの分断も招いている。 そんな中、丸川珠代環境相が7日に長野県松本市で開かれた会合で、除染などによる年間の追加被ばく線量の長期目標について「何の科学的根拠もなく、誰にも相談せず、その時の環境大臣が1ミリシーベルトまで下げた」と発言した。「その結果、帰れるはずのところにいまだに帰れない人がいる」とも述べたという。 長期目標はICRPが事故後に目指すべき線量として勧告する年1〜20ミリシーベルトのうちの最も低い値だ。この政策を現政権も維持している。にもかかわらず、除染
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