書こうか書くまいか数か月迷っていた。が、資料を読んでいるうちにふつふつと怒りのようなものがこみあげてきたので、結局書くことにした。ちょっとした告発である。 ぼくは沖縄の民謡だけでなくロックにも光を当てる本や記事を山のように書いてきたつもりだ。1990年代後半からは、沖縄の新聞にも、ロックや民謡を核とした地域再生を提案する論説を寄稿してきた。音楽に冷淡だった役所にも足を運んだ。地域の音楽を元気づけるために、財政資金を投入する必要があるともいいつづけた。 2000年代に入って、役所が音楽振興にチカラを入れるようになった。そのこと自体けっして悪いことじゃないが、「補助金漬けロックを育てよ」といった憶えはさらさらない。 ところが、沖縄のロックは今や政府の補助金なくして生きられない体質になりつつある。「ロックと補助金」なんて、ありえない異様な取り合わせだが、沖縄(とくに民謡やロックの拠点である沖縄市
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