衆院3補選の結果などを記者に問われ、厳しい表情を見せる岸田文雄首相=首相官邸で2024年4月30日午前9時42分、平田明浩撮影 4月17日、国会近くの国会図書館の一室に、自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党と無所属の会派「有志の会」の衆院議員が集まった。極秘会合でよく使われる場所だ。 翌日、議員らが顔をそろえたのは衆院憲法審査会。テーマが設定されない自由討議だったにもかかわらず、示し合わせたかのように、憲法改正の条文案の起草作業を行う「起草委員会」を設置するよう一斉に求めた。想定するのは、緊急時に国会議員任期の延長を可能とする改憲案だ。議員らは取材に対し17日の会合を否定したが、憲法審の運営を巡り協議したとみられる。 4党1会派は、衆参で改憲案の発議に必要な3分の2以上の議席を有する。立憲民主、共産両党は「議論する論点は多岐にわたる」などと慎重姿勢を崩さないが、数で押し切ることは可能だ