印刷 クリントン米国務長官は6日夜、ジュネーブの国連欧州本部で演説し、同性愛者といった性的少数者の人権保護に取り組むNGOを支援するため、国際基金を設置すると発表した。米政府が300万ドル(2億3千万円)を出資する。 12月10日の「世界人権デー」を記念した特別演説で、クリントン氏は「性的少数者は、西洋の発明ではなく人間の現実だ。文化や政治、宗教を理由に迫害することは、人権の侵害に他ならない」と強調した。各国へも基金への参加を呼びかけた。 国連人権理事会は今年6月、性的指向を理由にした差別や暴力に「重大な懸念」を表明する決議を採択した。クリントン氏は国連史上初めて、性的少数者の人権を認めたこの決議に触れ、「(性的少数者の)みなさんは、独りではないと知って欲しい」と呼びかけた。(ジュネーブ=前川浩之)