父の死で家を失い、クリストフはオイラー家で母親と暮らし始める。俗物的なオイラー家の人々の描写。そこで信仰の喪失を味わう。オイラー家のそばに住んでいるザビーネとの恋愛、そして彼女の死。享楽的なアーダとの肉体を伴った付き合い。しかし、弟エルンストとアーダとの密かな関係を知ってクリストフは深く傷つき、酒に溺れるようになるが、そんな時に叔父のゴットフリートと再会する。「英雄というのは自分ができることをする人のことだ」という叔父の言葉でクリストフは立ち直る。 既存の音楽に嘘を感じたクリストフは行動を始める。その嘘は彼が最も大事にしている作品の中にもあった。クリストフはその誠実さから、巨匠たちの音楽を公然と批判しだす。そんな時、クリストフの新作の演奏会が行われる。その音楽は斬新なものだった。演奏家は戸惑い、聴衆は呆然とする。歌曲では歌手が音楽を全く理解できず自己流に歌い出す。クリストフは演奏を止め、も