毛無山の風力発電計画にも危惧の声 「再生可能エネルギーを促すため国立公園内の規制緩和をする」。小泉進次郎環境相が全国紙のインタビューで驚きの方針を打ち出したのは昨年秋。続いて国が風力発電を対象とした環境影響評価(環境アセスメント)制度の規制緩和を決めるなど、ここに来て脱炭素社会に向け国の再エネ推進が前のめりとなっている。風車が発する低周波が健康被害をもたらすなどの問題は忘れ去られてしまったのか。全国各地における住民活動の動きから現状を探った。(武智敦子) 人間の可聴域は20ヘルツから20万ヘルツ。聞こえにくい100ヘルツ以下は低周波、さらに20ヘルツ以下は聞き取ることが不能な超低周波と呼ばれる。低周波音は風力発電の風車や航空機、ボイラー、トンネルなどから発生し、イライラや頭痛、耳鳴りなどを引き起こすという。透過性が強いため、防音装置などは効果がなく逆に症状が悪化するとも言われるからやっかい