印刷 体性幹細胞による乳房再建について説明する鳥取大学医学部付属病院の中山敏准教授=米子市 鳥取大学医学部付属病院は、乳がんで乳房を失った患者のために、人の脂肪に含まれる体性幹細胞を使って乳房を再建させる臨床研究に取り組む。厚生労働省が定めた「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の承認を受けた体性幹細胞の乳房再建の臨床研究としては全国で初めて。 体性幹細胞は色々な細胞を作る元になる細胞で、特定の組織に変化できる。研究を担当するのは、同大医学部付属病院形成外科の中山敏准教授と大学院医学系研究科の久留一郎教授らのチーム。 研究では、患者本人の腹部や太ももから脂肪を採取。専用の機械で脂肪から体性幹細胞を濃縮して取り出し、残りの脂肪とまぜて、乳房を切除した部分に注射器で注入する。生着すると、乳房が修復され、治療後も9割程度のボリュームが維持できるという。 乳房再建には自分の脂肪を使う方