(英エコノミスト誌 2012年5月19日号) ブラジルの強さは本物だが、政府はもっと自国の弱さを懸念すべきだ。 少し前まで、BRICsは急成長する次なる超大国ともてはやされていた。ところが最近、ロシアは腐敗した石油国家と描写されるようになった。 インドは官僚的な形式主義に縛られ、現状を打破する政治的な意思を奮い起こせずにいる。強大な中国経済もここ数週間で減速した。 自国をBRICsの「S」と見なす南アフリカも、同国より北に位置する成長国と比べると、停滞し、硬直化しているように見える。 今度はブラジルの番だ。沖合いでの原油漏れを受け、ブラジルが米国の石油大手、シェブロンの幹部らに巨額の罰金と懲役刑を課すと脅していることが大騒ぎになっている。批評家は、ブラジルの高くつく社会保障制度やコモディティー(商品)輸出への依存に対して不満を口にするようになった。 活気を失ったブラジル経済は、昨年半ばに停