京都の片隅にある老朽化した架空の学生寮を舞台に、補修しながら現在の建物を残したいと考えて、不器用ながら奔走する寮生たちの姿を描いた京都発地域ドラマ『ワンダーウォール』。SWAMP(スワンプ)では先日公開された前編に続き、脚本を担当された渡辺あやさんのインタビューをお届けします。 男性なら絶対に感じただろう劇中の「あの」場面のこと、ご自身の創作に関わることまで、たっぷりとお楽しみください。 ■前編はこちら 「怒り」はなかなか伝染しにくいけれど、「楽しい」という感覚は伝染しやすい 渡辺:『ジョゼと虎と魚たち』の頃は、今と比べたらまだまだ全然のんきに暮らせていたような気がします。私個人の感覚でお話しすると、「3.11」というのがとても大きくて、あの出来事をきっかけに「自分たちはいったいどんな社会に暮らしていたのか」ということをすごく突き付けられたような気がしてーー。 表現というものに関わる人間は