ハードシェルといえば、風と雪に覆われた厳しい自然環境を耐え抜くために作られた冬用のアウタージャケット。それを2年がかりでいろいろと着比べてみました。シーズンはじめに最新モデルを見渡して注目モデルをピックアップしましたが、今回はそれらを含めた珠玉のモデルたちを実際にフィールドで使ってみた、答え合わせみたいなものです。 欲しいのは「最強」ではなく「最適」なやつ最近のハードシェル各ブランドのラインナップをみてみると、アルパイン系・バックカントリー系などの大まかなものから縦走・アイスクライミング・スキーツアー・フリースキーといったより細かいカテゴリまでの用途による違い、厳冬期から残雪期といった時期による違いまで、時代はよりハイスペックな「最強」競争から一段落し、用途別の「最適」競争へと変わっていきました。その結果同じブランドでも細かい特徴の違いによる多彩なモデルがラインナップされ、最適な一着を選ぶ
ここ数年、バックカントリースキー・スノーボードの人気が高まっているようです。 雑誌でパウダーの滑れるスキー場を特集したり、スキー場もパウダーゾーンを作ったりしている事からもその人気ぶりが伺えます!また日本は極上のパウダーが滑れる国として海外での人気はうなぎ登り。ハッシュタグ#japawがあるぐらい、日本のパウダースノーは外国人スキーヤーにとって絶大な人気なんです。これまで北海道ニセコ、長野白馬が人気でしたが、外国人スキー・スノーボーダーはSNSを駆使して既に野沢温泉、妙高、蔵王、湯沢、そして谷川岳あたりにまでその人気は広がって来ています。 筆者もゲレンデパウダーからバウダーを滑ることにハマってしまい、さらなる快楽を求めてバックカントリーへと足を伸ばした1人です。今回はそんなバックカントリーを楽しむための必須アイテム、バックカントリースキー・スノーボード用バックパックをレビューします!今シー
行動食ってどうしてます?行動食とはその名の通りハイキング等の「行動中に食べる」食糧のことです。ささっと口に入れてしまうので、何を持っていくかあまりじっくり考えることがなかったりしませんか? 私が登山を始めた当初は、 「カロリーがある・甘い・塩分がある・日持ちがする・腐りにくい」 とだけ頭に入れて、用意したのは行動食の定番、トレイルミックス・チョコレート・柿ピー・塩味系のあめ・エナジーバー。結局実際に食べたのは柿ピーとあめくらいで、その他は単なる荷物と化してしまったことがよくありました。 なぜか?初心者ゆえ定番にこだわってしまい、自分が「おいしい」と感じるもの、モチベーションを上げてくれるものを選べていなかったんですね。 試行錯誤の行動食で、そこに気づいてから登山のたびにあれやこれやを試してみました。例えば夏山でシリアルバー。疲れで食欲なし。無理して食べるも口の中の水分が奪われるし、なかなか
前回に引き続き、2017年の夏に欧州・アメリカでおこなわれたアウトドア・ギア展示会で出会った興味深いアイテムを紹介していきます。メジャーなブランドの製品が少ないじゃないかという声もありますが、なにせほとんどが来シーズンの新製品なんで、メーカーの方針によって発表できるものとできないものがありまして……。そこはなにとぞご理解くださいませ。 ※これから紹介する製品はあくまでもそれぞれの地域の市場で投入予定のものですので、ここ日本でも正規に入手できるようになるかどうかについては不明ですのでご注意ください。 アウトドア展示会の様子などについて書いた過去の展示会レポートはこちらをどうぞ世界のアウトドア展示会で出会った、少し未来の山道具たちを紹介していくよ(その1)Outdoor Retailer Summer Market 2015 レポート ~行ってみたらこんなところだった~Outdoor Reta
毎年世界各地で開催されるアウトドア用品展示会にはじめて参加した時には、日本からでは想像もつかないそのスケールのデカさと賑わい、そして底抜けに自由な空気に圧倒されまくりでした。 そこでは世界中から千を超えるアウトドア・ブランドやメーカー、バイヤー、メディアなどが数日間にわたって広大な会場に集結し、バックパックやシューズ、アパレル製品をはじめとした来シーズン登場予定の最新のアウトドア用品から、最新素材・部品・製造機器・テクノロジーに至るまで、アウトドアの幅広いジャンルを網羅したありとあらゆるプロダクトが参加者を出迎えてくれます。 今年はアメリカ「Outdoor Retailer」・ヨーロッパ「The OutDoor Show」・中国「Asia Outdoor Trade Show 」と、それぞれ個性の違う展示会を運良く目撃することができました。その一部についてはこのサイトでも報じていましたが(
ここ一週間ほど、インサレーションウェアの今シーズンモデルを集中的にチェックしていました。 インサレーションウェアとは、和訳通り「insulation = 断熱」のための中綿を使ったジャケットで、レイヤリング(重ね着)を基本とするアウトドア・ウェアの着こなし方ではベースレイヤーとアウターの間に着るミドルレイヤー(中間着)の代表選手、つまり冬のアウトドアを快適に過ごすために欠かせないウェアのひとつです。 中綿の素材としてはダウン(羽毛)が昔からおなじみですが、激しい活動においては濡れに弱い、汗の放出が難しい、手入れが大変など弱点も少なくないため、本気で冬山を目指す人間としては、重量と保温性は犠牲にしつつもそうした弱点を克服してより運動時にも使いやすい「化繊綿」によるインサレーションウェアに注目しないわけにはいきません。近年特に技術的な進歩の著しいこの分野は今年もおもしろい素材の登場によってさら
2021年、着るなら「ザクザク抜けて、ビュンビュン伸びる」やつ冬、始まってきましたね。 冬山の厳しい寒さと風から身を守るには、アウターとしてハードシェルが何よりも安心。数あるジャケットの中でも飛び切り頑丈で、飛び切り高機能、そしてもちろん飛び切り高価なこのレイヤーについては、このサイトでも開設当初から常に研究と新作チェックを続けてきました。 関連記事コロナでしばらく間が空いてしまいましたが、今回は久々に昨年~今年に出たなかで注目の新作をチェックしてみたいと思います。 個人的にここ最近のハードシェルをめぐるトピックとして特にインパクトの強かった出来事は大きく言って2つです。 まずはなんと言ってもハードシェルに採用される防水透湿素材としてはトップクラスの知名度と実力を誇る「GORE-TEX® PRO」が、昨シーズン完全リニューアルしたこと。それによって「頑丈」「高透湿」「ストレッチ」という3つ
もっと明るく、もっと長く、もっと便利に。地味だけど必須の登山装備「ヘッドランプ」のベストチョイスを大研究アウトドアでの快適な夜を過ごすためには何といっても明かりがなければ始まりません。山では両手が使えなければ何かと不自由のため、手持ちの懐中電灯ではなく頭や胸などの身体に装着して使う「ヘッドランプ」が主流になっており、ハイキングや登山では必携装備として重要なアイテムのひとつです。 このヘッドランプ、かつては単三電池と豆電球の単純な小物でしたが、ここ数年でのLEDライトの登場とバッテリーの小型大容量化、そして電子制御技術の進歩よって驚くほど高いパフォーマンスを備えたライトが手に入るようになりました。 その結果今では登山用だけでなくクライミング・ランニング・釣り・キャンプ・日常・災害用などの多様な用途や明るさ、値段などに分かれたさまざまなモデルが選べるようになりましたが、その一方で実際に確かめた
今年も山道具は相変わらず高いよ、とあきらめる前に昨年からお伝えしているワークマンのアウトドアウェア特集もめでたく2シーズン目。はじめは「安いわりにそこそこいいものがあるわね」といった程度の軽いノリではじめたのですが、掘れば掘るほど恐ろしくコスパのいいアイテムが出るわ出るわ。これはもう、最終的にワークマンだけで全身揃えられるのか?揃えられたとしたらはトータルどこまで安くいけるのか。そんな興味半分で今年も相変わらず掘っています。 そろそろ秋冬物の新ラインナップが出揃ってきたということで、今年もアウトドアに使えそうな注目すべきモデルを紅葉シーズンギリギリの奥秩父に着込んでいき、いろいろ試してみた感触を書きます。今年も「この作りで、この値段!?」と二度見必至の問題作がてんこ盛りです。 目次1.ベースレイヤー(オススメ度★★★★☆ 上下各980円)2.ミドルレイヤー(オススメ度★★★★☆ 1,900
今回取り上げるのは、GREGORYの代表的バックパックとして名高いBALTORO(女性モデル:DEVA)。 ええ、分かってます。2008年に誕生し、2015年版の現行モデルも世界中で絶賛の嵐、日本でも当然ながら大人気を誇る、まさにバックパックの王様といっても過言ではないこのモデルのレビューが今さらってことは。 ただ、ここ最近になってようやくBALTOROをはじめいろいろなブランドの大型バックパックを集中的に試すようになって、このパックの素敵としかいいようのない魅力に触れるにつれ、こりゃぁレビューしないまま素通りしてしまうのは罪だと痛感したわけであります。 加えて、なにやら公式店舗では既に現行モデルが「OLDモデル」となり、在庫一掃セールがはじまっている模様。そう、実はこの名作も来春には何らかのアップデート待ったなしということで、もし購入を迷っている人がいたら、実は今がチャンスかもしれない。
過酷な登山から穏やかな休息まで、安全・快適なアウトドアを楽しむために必要不可欠なのが雨を防ぐと同時に衣服内も蒸れにくい「防水透湿素材」のアウターウェア。今や多くの素材メーカーが防水透湿素材を開発するなか「GORE-TEX® プロダクト」はそのパイオニアとして、登山をはじめとしたアウトドアの世界ではおそらく日本で最もよく知られた素材といえます。 GORE-TEX® プロダクトは誕生から半世紀近くに渡って進化をし続け、近年ではアクティビティの多様化などに伴いさまざまなバリエーションが存在しています。ただでさえ多くのメーカーによる競合製品で溢れかえっているという防水透湿素材市場では、自分にとってピッタリの一着を見つけることが年々難しくなっていると感じているのはぼくだけはないはず。 そんななか6月某日、GORE-TEX® テクノロジーを扱うゴア社の人に直接話が聞けるというまたとない機会が訪れました
ワークマンについてはこちらの記事もおすすめ今年もワークマンの新作ランニングウェアでロードからトレイルまで走り込んでみた 2019ワークマンはランニングでもコスパ最強なのか?トレイルランナーが片っ端から試してみた【2018春夏モデル】コスパ最強ワークマンで全身揃えて紅葉の奥秩父を歩いてきた【2017秋冬モデル】コスパ最強と噂のワークマンで全身揃えたらどこまでいけるか試してみた【2016秋冬モデル】何だかんだいって、山道具は高いと思われています。最先端の技術が使われいるから?あるいは命を預ける道具だから当然?もちろんそれぞれ一理あるでしょう。 でも、それがアウトドアにどうしても踏み出せない要因の一つだったとしたらこんな切ない話はありません。実際のところはそんなことないのに。 そんな考えがきっかけで以前レポートした『冬のワークマン特集』は、おかげさまで驚くほど多くのユーザーに読まれ、シェアしても
軽くて薄いレインウェアが大流行しています。ただこのタイプは穏やかな季節の通り雨を防ぐ程度ならば取りあえず安心できる一方、晩秋~残雪期などの肌寒い季節や長雨・豪雨に対しては間違いなく物足りません。登山やハイキングを長くやっていくならば超軽量タイプだけでは不十分。やはりどんな状況でも安心できるレインウェアを1枚は持っておきたいものです。 今回紹介するのは、そうした本格的なトレッキングやクライミングにしっかりと対応し、なおかつ最先端の軽量・快適性を備えた万能で完成度の高いレインウェアMAMMUT GORE-TEX Quantum Ultra-Light Jacketです。以前、こちらの記事でちらっと紹介させていただきましたが、今回は実際にフィールドで使用してみてより詳細までレビューしていきます。 大まかな特徴ゴアテックスの次世代素材である従来よりも透湿性に優れた、わずか12デニールのGORE C
中国では(多少の調整は入りつつも)数年前から空前のアウトドアブームが続いているといわれています。 それはかつての日本もそうであったように、経済発展による生活水準の向上が大きな要因になっているであろうことはひとまず容易に想像がつきます。おまけに中国にとってさらなる追い風は、2022年の北京冬期五輪開催です。政府はウィンタースポーツ人口を現在の1,000万人程度から3億人以上にまですると打ち出しているらしく、既に全国でスキー場をはじめホテルなど関連施設の開発が急ピッチで開発が進んでいるとか。まぁさすがに順調な右肩上がりではないにしても、まだしばらくはこの大きな流れが続きそうです。 一方、このサイトではおなじみとなっていますが、海外特にヨーロッパにおける複数のアウトドア見本市では、数年前から中国や韓国のアウトドア・ブランドが、アジアという枠を超えて賞を獲っていたりしています。それもアパレル製品や
アウトドア文化・産業の中心地の一つであるヨーロッパはドイツ国境近くのボーデン湖に面した静かな街、フリードリヒスハーフェンにて毎夏に行われる、欧州市場の流通事業者・メディア向けアウトドア用品総合展示イベント『The OutDoor Show Friedrichshafen』。 イベントの概要については以前の記事でお話ししたとおりですが、二十数年前小さな登山用具見本市からはじまったこの展示会は、サッカー場12個分の会場に登山からクライミング、キャンプ、ランニング、フィットネス、バイク、ウォータースポーツなど、拡大・多様化するアウトドア市場に伴い大小合わせて1,000近くのブランドが集結するまでに発展。アウトドア・カルチャーの「今」が見渡せる、今や欧州中の関係者が注目するモンスターイベントです。 そんなアウトドア好きにとって見逃せないイベントの取材も今回で2回目。今年も数え切れないくらいたくさん
つい先日編集部に飛び込んできた、とある”財布”についての話をします。 株式会社ハンズエイドは、4月24日よりCCC(TSUTAYA)グループのクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING by T-SITE」にて、薄さわずか3ミリの中に鍵やお札、カード類10枚程度を収納し「スマホに巻ける財布」、Crabby Wallet(クラビーウォレット)の先行予約販売を開始しました。 米国の世界No.1クラウドファンディングサイト「kickstarter」で本製品の反響が予想以上に高かったこと、また、日本での発売リクエストが大きかったことを受け、日本でも先行予約販売を実施することとなりました。価格は、2,980円(税込)~4,980円(税込み)。GREEN FUNDINGでは早期予約割引として定価の15~34%OFFのコースを用意しました。製品は2017年8月に発送予定です。 ぼくにとって
スマートウォッチの魔法を、タフなアドベンチャーにも――。あくまでも穏やかな日常やフィットネスが主戦場であるこの分野で、そんな大それた夢を具現化しようとしているメーカーは、今のところ世界中を見渡してもカシオくらいしか見当たりません。例えばSUUNTOのスパルタン、Garminのフェニックスシリーズといったハイエンドモデルは、フィットネス系ウェアラブルデバイスとしてそれぞれが独自の完成度の高いエコシステムを形成しています。とはいえ今のところ、登山を楽しむアウトドア愛好家にとっての楽園はまだどこにもないというのが現状です。 そんななか昨年登場したWSD-F10は、カシオがアウトドア向けスマートウォッチという新しいマーケットを切り拓こうとした意欲作でした。多くのスマートデバイスが抱えるハード的な限界や、Android Wearの完成度の低さによる課題も見受けられた一方で、タフな環境に耐えうる強靱な
4月に入りアウトドアシーズンもいよいよ本番。今年も各地でアウトドア・アクティビティを身近に楽しめるイベントが目白押しのようで、編集部にも日々たくさんのリリース情報が届いています。 そんななか最近「これは行かねば」と前のめりにならずにいられないイベント情報があったので、それについてシェアしたいと思います。 「Outdoor Gear Touch&Try」とは?端的にいうと一般向ユーザーけの商品展示・体験会なのですが、なかなか実際の使い勝手を試せる機会の少ないテントやタープなどの大型ギア、バーナーなどの火器類が実際のフィールドで「見て」「触って」「(無料で)試せる」イベントというのがミソ。アクセス良好な都内の広々としたキャンプ場で好きなテントは張り放題、話題の火器が使い放題となれば、ギア好き、比較好きの読者のみなさんであればきっと楽しめるに違いありません。 参加ブランドがアツい特にこのイベント
山歩きやトレッキング、クライミング、サイクリング、カヤックやラフティングなどのアウトドア全般だけでなく、旅行や日常生活でも、ポケットに余る荷物を持ち歩くようになれば、そのときはデイパックの出番です。 デイパックの明確な定義は知りませんが、大まかにいって30L(リットル)以下程度の小型バックパックと考えればほぼ問題ないでしょう。泊りを伴う本格的な登山には容量的に物足りないものの、日帰りハイキングや夏の小屋泊まりまでならジャストなサイズ。その使いやすさと汎用性、丈夫さ、なおかつ手に取りやすい価格などから、アウトドア初心者にはもちろんアウトドアなスタイルを好む人々まで幅広い層に対して安定した人気を誇ります。 学生登山から山をはじめた自分にとっては妙なプライドが邪魔をしたのか、こうした小型のパックには長らく縁遠い存在でした。ところが気づけば最近では日帰り登山だけでなく、旅行先での街歩きに、日々の仕
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