寺山修司の小説「あゝ、荒野」で、主人公のボクサーが言う。 「運のわるい奴も嫌いなんだ。大体、運のわるい女ってのにきれいなのはいないからな。目の下にくまがあったり、髪がざんばらだったり、子供を背負ったりしてよ。・・・・・運のわるい女ってのはみんな腋の下がへんな匂いをしているよ」 言いたい放題である。でも、腋の下の匂いはともかく、他のことはなんとなくわかる。特に髪は、ボサボサしていると不幸せオーラが半端なく出るので気をつけたい。 子どもの大学の入学式に行ったときのことだ。私の前に座っていたお母さんの髪がボサボサで、しかもホコリのようなものがついていた。すごい寂寥感。せっかくの晴れの日なのに、髪くらいとかして、きれいにしてきてはどうなんだろう。一緒にいるダンナも、なんで気がついてとってあげない?そんなに、隣にいる奥さんに関心がないのか?それを見たとき、人ごとながら、なんだかものすごく虚しいような