発達障害の子供たちの幼少期の家庭教育の重要性について指摘したところ、「発達障害は予防できない」との反論があったので、筆者の見解を明らかにしておきたい。 大切なポイントは、先天的な器質障害は治らないが、環境要因が関与している一次・二次障害は環境を整えることによって症状を予防し改善できるという点だ。 精神科医、斎藤万比古(かずひこ)氏総編集『発達障害とその周辺の問題』(中山書店)によれば、発達に応じて現れる一次障害も二次障害も、「個体と環境との相互作用の結果の産物」であるから、環境を整えることによって予防し改善することができる。 脳科学者の澤口俊之氏は「環境や育て方が発達障害の要因ではない」という見解は誤りだという。また浜松医科大の杉山登志郎教授は高齢出産やたばこの影響、多胎、未熟児、生後から1歳ごろまでの環境要因の積み重ねが発達障害の要因になりうる、と指摘する。 文部科学省の脳科学に関する報