祇園祭 山鉾の装飾 見どころ多い祇園祭のなかでも、 やはり最大のものといえば山鉾を飾る絢爛豪華な懸装品でしょう。 前掛(まえかけ)・胴掛(どうかけ)・後掛(うしろかけ)・水引(みずひき)・見送(みおくり)などと 呼ばれる染織品で、いずれも染織の粋を凝らした古今東西の作品。 そうした懸装品を飾り付けられた鉾や山が、 7月17日に都大路を巡行、 その華麗な様子はいつしか『動く美術館』と呼ばれるようになりました。 山鉾巡航の由来 山鉾巡行は平安時代から始まったとされ、 美しい染織品を飾り付けたのは室町時代からとのこと。 それらの多くは海外からの渡来品で、 中国・中近東・東欧・インドと世界各国からやってきたもの。 異国情緒ゆたかな美しさにあふれた染織品は、 いつの世も京の人々の目を奪い、 見物客を魅了してきました。 中にはシルクロードを経て運ばれてきたタペストリーや 15世紀のベルギー製絨毯といっ