一般的な固体、液体燃料の比推力は200〜300秒の程度であり、液体酸素と液体水素の組み合わせでも440〜450秒がせいぜいである(備考参照)ので、 化学燃料を使った単段式ロケットによる地球周回軌道到達(SSTO:Single Stage To Orbit)の実現には、質量比で10以上が必要とされ、ペイロード、エンジン、燃料タンクなどの質量と、加速時に要求される機械的強度を考慮すると、実現には工学的な困難が大きい。 (2段式、3段式にして、総合的な質量比を大きくしたり、補助ロケット(ブースタ)を装備するのはこのためである。(多段式ロケットに関する考察参照)) より高エネルギーのエネルギー源ないし燃料(少なくともIspで600秒程度)が実現されれば、打ち上げロケットの工学的な設計自由度は飛躍的に高まることが期待されるが、 化学燃料の範囲内では、コスト、環境的な配慮なども勘案すれば、酸素と水素以