「男女格差は生まれつき」との根強い偏見をはね返し、科学、技術、工学、数学で活躍する女性が増えている SolStock-iStock <男女不平等の国ほどリケジョが多い? 常識破りの「新説」から浮かび上がるジェンダーをめぐる不都合な真実> 2018年、意外な研究結果がサイコロジカル・サイエンス誌に発表された。ノルウェーやフィンランドなどの男女平等の国よりも、アルジェリアやアラブ首長国連邦など男女格差の大きい国のほうが、STEM(科学・技術・工学・数学)の学位を取る女性の割合が高いという。 論文の筆者である英エセックス大学のハイスバート・ストゥー教授と米ミズーリ大学デービッド・ギアリー教授は、これをSTEMにおける「男女平等のパラドックス」と呼んだ。つまり、平等な社会になるほど女性はSTEMを選ばなくなるということになる。 これは大きな賭けだ。職業選択の傾向に生まれながらの男女差があるのなら、