私はこの一件で、百の方法論よりも、千のアドバイスよりも、たった一言「無理をしないで」といういたわりの言葉の方が、劇的に事態を改善させることがあることを知った。 こんな打ち明け話をするのには訳がある。これと同じことが、職場でもあるということなのだ。 すごく頑張っているんだけど、力の入れどころを間違っているんだよなあ、と、脇から見ているとよく分かることがある。そこで「こうした方がいいよ」とアドバイスすると「分かってるんですけど、それができないんだよ!」と食ってかかられることがある。アドバイスしても通じない。 ところが「あんまり無理をしないで、体を壊さないように」と声をかけただけで、スッと肩の力が抜け、大幅に状態が改善した、という経験が、みなさんにもないだろうか。私はたびたび経験していたのに、いまひとつ意識化できていなかった。嫁さんが言語化を助けてくれたのだ。 バブルの呪縛 日本はバブル経済以降