今月は,決算の話題をお話ししたい。大手調査機関の場合,一般的には業界別にフォローしているが,エース経済研究所は,1人で3セクター以上をカバーする特殊なリサーチを行っているため,大手のゲーム会社すべてをカバーすることが難しい。そのカバーしている会社の動向から話を進め,読者の関心が高い任天堂とソニーのゲーム事業について具体的に見ていくことにしよう。 まず,コーエーテクモホールディングスである。 グラフ1 コーエーテクモホールディングス (出所)決算短信よりエース経済研究所 大幅な増収増益だった。要因はいくつかあるが,最大の要因は中国が新型肺炎の影響でロックダウンされた結果,スマートフォンゲーム市場が盛り上がり,同社がライセンス許諾している三國志タイトルが大きなヒットとなったことが貢献した。羅貫中が編んだ三國志演義自体には,著作権は存在しないが,同社の英雄画は中国でも標準となっており,利用するた