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ブックマーク / jp.gamesindustry.biz (25)

  • 【月間総括】主要ゲーム各社と任天堂,ソニーの年度決算

    今月は,決算の話題をお話ししたい。大手調査機関の場合,一般的には業界別にフォローしているが,エース経済研究所は,1人で3セクター以上をカバーする特殊なリサーチを行っているため,大手のゲーム会社すべてをカバーすることが難しい。そのカバーしている会社の動向から話を進め,読者の関心が高い任天堂とソニーのゲーム事業について具体的に見ていくことにしよう。 まず,コーエーテクモホールディングスである。 グラフ1 コーエーテクモホールディングス (出所)決算短信よりエース経済研究所 大幅な増収増益だった。要因はいくつかあるが,最大の要因は中国が新型肺炎の影響でロックダウンされた結果,スマートフォンゲーム市場が盛り上がり,同社がライセンス許諾している三國志タイトルが大きなヒットとなったことが貢献した。羅貫中が編んだ三國志演義自体には,著作権は存在しないが,同社の英雄画は中国でも標準となっており,利用するた

    【月間総括】主要ゲーム各社と任天堂,ソニーの年度決算
  • 【月間総括】Stadiaの苦境,そして任天堂とソニーの四半期決算の明暗

    今月は,まず,Googleがサービスを開始したクラウドゲームサービス「Stadia」についてである。鳴り物入りで始まった印象のあるStadiaであるが,4Kのグラフィックスが実現できていないなど,サービス開始後の評価は芳しくないようだ。 ソーシャルメディアでも,ユーザーからの評価がほとんど聞こえてこないことを考えると,サービス自体も低調な出足のようである。 Google Stadia:海外レビューのまとめ Google,Stadiaの4Kサポートに対する批判に返答 発表当初は,Googleの資力で多くのタイトルが集まるのではないか? との期待もあったようだが,タイトル数も不十分,帯域の不安定さからくる画質の低下(※主にユーザー側の環境による問題だが),サーバーの能力不足※と不完全な印象を拭えない状況に見える。以前,「クラウドゲームは実用に至っていない」「大量のサーバーと専用回線容量の維持

    【月間総括】Stadiaの苦境,そして任天堂とソニーの四半期決算の明暗
  • [CEDEC]脳の動作クロックは33Hz? 人間のスペックに適合させたゲームの遅延対策とは

    2019年9月5日,日最大のゲーム開発者会議CEDEC 2019の2日めにバンダイナムコ研究所の森口明彦氏から,「芯(シン)・遅延対策2020 〜ヒトのスペックから導かれる安定性重視とフレームレートのベストプラクティス」と題する講演が行われた。 ゲームの体験で大きな問題になりうる「遅延」については,CEDECでもたびたび取り上げられ,森口氏も何度かCEDECで講演を行っている。遅延はプレイヤーの操作から画面に反映されるまでの時間差のことを指すものだが,今回の講演では,プレイヤー側の事情に踏み込んでどの程度の対策が必要とされているのか,どの程度の対策があれば十分なのかなどについて定量的な分析と考察が披露されたので,そのあたりを中心に紹介してみたい。 ゲームの処理サイクル(左)と人間の処理サイクル(右)。それぞれが一定の周期で処理を進めている 人間に対する視覚や聴覚の処理は小脳の運動中枢の一

    [CEDEC]脳の動作クロックは33Hz? 人間のスペックに適合させたゲームの遅延対策とは
  • 【月間総括】SIEと任天堂の方針の違いは新型ハードにどう反映されるのか

    今月は,なんといっても次世代PlayStation(この表現では分かりにくいため,以降PS5とする)であろう(関連記事)。ソニー・インラタクティブエンタテインメント(以下,SIE)のMark Cerny氏が,メディアに語ったところによると,ハードウェアレイトレーシングをサポートし,超高速SSD搭載による驚異的なロード速度,PS4互換機能の搭載,AMD最新のZen2アーキテクチャ搭載ということのようである。 以前からエース経済研究所では,PS5は,非常に高い演算能力を持つ高性能マシンになるだろうと予測していたので,予想どおりだったといえる。 とくにPS4の互換とローディングの速さというのは,PS4でユーザーがよく取り上げる不満点だったこともあり,エース経済研究所の第1印象は,PS4の強みを追求したというよりも不満点の解消を優先したというものであった。 このあたりから見えてくるのは,SIEはP

    【月間総括】SIEと任天堂の方針の違いは新型ハードにどう反映されるのか
  • 日本のスマホアプリ市場は構造的不況に陥りつつあるのか?

    今月は,スマートフォン用ゲームアプリ各社の決算の話を進めよう。 まずは,この表をご覧いただきたい。これは,エース経済研究所がフォローもしくはウオッチしている12月末を四半期決算日とするスマートフォンゲームアプリ専業メーカーの業績をまとめたものである。 スマートデバイスゲームアプリ専業メーカーの直前四半期業績 (出所)決算短信よりエース経済研究所 前四半期比(QoQ),前年同期比(YoY)ともに大幅減益の企業が多いことが分かるだろう。前四半期比,前年同期比で増収増益なのは,ガンホー・オンライン・エンターテイメントのみで,前四半期比増収はボルテージ,前年同期比増収なのはサイバーエージェントゲーム事業だけという状況だ。 とくに12月にイベントを開催するなど,固定費を掛けたコロプラは赤字に転落した。DeNAもゲーム事業は前四半期比,前年同期比ともに大幅減益となり,全社では赤字に転落となった。この

    日本のスマホアプリ市場は構造的不況に陥りつつあるのか?
  • [月間総括]Switchの販売台数が示す国内コンシューマゲーム市場の可能性

    2018年は,日では実質2年めとなるNintendo Switchの販売が好調を持続したことで,スマートフォンゲームにコンシューマゲームが駆逐されるとの観測を払拭できた年と言っていいだろう。 フィーチャーフォンでのブラウザゲームの台頭,ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」を嚆矢とするスマートフォンゲームの台頭,それに加えて,Wii Uの大きな失敗,PlayStation 2を最後に,SIEのゲーム機のぱっとしない状態が続いていることもあり,国内市場ではコンシューマゲーム市場の悲観論は相当なものであった。 そのピークは,任天堂がDeNAと組んでスマートフォンゲームに進出すると発表されたときだったと思う。 当時の故岩田氏の資料でも「いろいろな専用デバイスが,スマートデバイスに呑み込まれてきたと言われているのと同じように,『ゲーム専用機もスマートデバイスに呑み込まれ

    [月間総括]Switchの販売台数が示す国内コンシューマゲーム市場の可能性
  • ソニー,PlayStation 5を確認(しかしPlayStation 5とは呼ばれていなかった) - GamesIndustry.biz Japan Edition

    CEO吉田兼一郎氏は「次世代機が必要だ」と語った。 ソニーは避けられないものを認めた。PlayStation 5の存在だ。 同社による初のPlayStation 4後継機に関する言及はFinancial TimesでのCEO吉田憲一郎氏のインタビューで現れた(参考URL)。 吉田氏はPlayStation 5とは(PlayStationとさえ)呼ばなかったものの,ブランドの強みからして名前はほぼ確定だろう。 氏の実際のコメントでは,後継機が投入されるまでどれくらいかかるのかはまったく示されていないものの,PlayStation 4の寿命が終わりつつあることが示唆されていた。 「この点で我々が申し上げることができるのは,次世代のハードウェアが必要だということです」とだけ吉田氏は語り,その詳細については語らなかった。 この必要性の一部は,間違いなく,E2 2018期間中にPhil Spence

    ソニー,PlayStation 5を確認(しかしPlayStation 5とは呼ばれていなかった) - GamesIndustry.biz Japan Edition
  • 【月間総括】PS4とSwitchのマルチ対応が定着か。東京ゲームショウ2018に見る業界のトレンド

    今回は,東京ゲームショウについて述べたいが,その前に,米Epic Gamesの「フォートナイト」について触れておく。 SIEは同タイトルのPS4版でXbox OneやNintendo Switchとのクロスプレイに対応したβテストを開始すると発表した。同タイトルは,すべてのプラットフォーム間でのクロスプレイを目指していたが,これまでPS4版のみ,Xbox OneとNintendo Switchのユーザーとは一緒に遊べないという状況となっていた。また,一度PS4版でプレイしたアカウントはNintendo Switch版で遊べなくなる問題があったが,これで解消することになると思われる。 現在のFortniteのクロスプレイ対応状況 エース経済研究所では,クロスプレイの問題はPS4の販売に影響を及ぼさないと指摘していた(関連記事)。報道などを見る限り,PS4の今夏の販売に影響はなかったようである

    【月間総括】PS4とSwitchのマルチ対応が定着か。東京ゲームショウ2018に見る業界のトレンド
  • 【月間総括】市場のE3評価,任天堂の株価はなぜ下がったのか

    今月は,E3について触れざるを得ないだろう。E3での各社の発表はユーザーやゲーム系メディアの批評はともかく,資市場での評価はあまり良くなかったという印象を受ける。とくに,任天堂では株価が大幅に下落した。先月も指摘した「Nintendo Labo」の戦略的失敗の潜在に加え,今回のE3ダイレクトの内容に投資家が大いに失望したようだ。 おそらく,Nintendo Switchの大型タイトルが「大乱闘スマッシュブラザーズ(SPECIAL)」と「ポケットモンスター レッツゴーピカチュウ・イーブイ」のみとなり,新規タイトルが弱いと捉えられたことが引き金となったのだろう(関連記事)。 しかし,ハード販売の成否は大型タイトルのラインナップでは決まらないのである。この「ソフトが少ない問題」は昨年1月の「Nintendo Switch プレゼンテーション」で,マスメディアが盛んに指摘したことである。改めて検

    【月間総括】市場のE3評価,任天堂の株価はなぜ下がったのか
  • プラチナゲームズはもう二度とパブリッシャと組まないかもしれない

    有名デベロッパの自己資金による将来とIPを自社で所有する決断について共同設立者の神谷英樹氏と稲葉敦志氏が語る。 日の著名なデベロッパであるプラチナゲームズは,タイトルを市場に出すために第三者に頼らないという新たな門出を迎える。 設立からの10年間,同社はさまざまなパブリッシャのために評判の高い一連のゲームを制作したが,これらのパートナーシップでは同社に事後のフォローアップのオプションはほとんどなかった。任天堂は「ベヨネッタ 3」の開発で同社をサポートしているが,「MADWORLD」や「VANQUISH」のようなタイトルの権利はセガに残っている。 2017年,同社は劇的な戦略転換を発表した(関連英文記事)。もはや1年に1タイトル制作することを目指すのではなく,完全に権利を所有するゲームを作ることに焦点を当てていくという。2018年1月までに,開発のヘッドである稲葉敦志氏はプラチナゲームズが

    プラチナゲームズはもう二度とパブリッシャと組まないかもしれない
  • 【月間総括】21万本を売り上げた「Nintendo Labo」は何に失敗したのか

    今月は先月予告したとおり,「Nintendo Labo」の戦略的失敗について取り上げたいと思うが,その前に,先日行われたソニーの中期戦略説明会SONY IR DAY 2018についてお伝えしたい(関連記事)。その場で,SIEの小寺社長に質問する機会があったのだが,PSVRとスマートフォンゲームアプリが想定を下回り,学びがあったとの回答を得た。 以前からエース経済研究所では,まず,失敗を認めることがSIEの企業価値を長期的に向上させる第一歩と主張してきた。誤りを認めることは,とても勇気がいることである。公式の場で認めたことを大いに評価したい。 なお,音声アーカイブがソニーIRサイトにある。ぜひ,御聴取いただきたい(参考URL)。 題に入ろう。4月20日に任天堂は,ダンボールを使った新しい遊び「Nintendo Labo」を発売した。 メディアクリエイトによる発売4週間のデータでは「バラエテ

    【月間総括】21万本を売り上げた「Nintendo Labo」は何に失敗したのか
  • 増え続ける工数を変わらぬ人数で捌いていくフロムソフトウェアの方法論

    2018年3月30日,大阪府・グランキューブ大阪で「Game Creators Conference '18」(GCC'18)が開催された。 GCC'18は関西発のゲーム業界向けゲーム開発カンファレンスだ。関西地区のゲーム企業有志による「勉強会」を母体としたイベントだったが,いまや4トラック24セッションという規模という一大イベントに成長している。地元である関西企業によるセッションのほかに,東京などからこのイベントのために多くの企業が参加している。 ここではそんなうちの一つであるフロムソフトウェアによる講演の模様を紹介してみたい。「複数タイトルの開発を維持しつつ大規模化に適応した中小企業エンジニアの取り組み」というタイトルの講演だが,「複数タイトルの開発を維持」「大規模化」といったあたりはちょっと見ただけでは意味が分からないかもしれない。 さて,フロムソフトウェアといえば,初代PlaySt

    増え続ける工数を変わらぬ人数で捌いていくフロムソフトウェアの方法論
  • WHO「ゲーム障害に関するきちんと文書化された多くの証拠があります」 - GamesIndustry.biz Japan Edition

    最新のリストは診断のための「単なる臨床的記述」にすぎず,予防や治療ではない。 世界保健機構(WHO)は,最近分類された「ゲーム障害」の定義に向けて準備を進めており,これは「臨床的に確認でき,臨床的に有意な症候群」だと表現している。 先週,WHOの世界疾病大綱(ICD)の次期版の最新ドラフトに「ゲーム障害」(参考URL)と「有害なゲーム」(参考URL)の二つが加えられるという事案が発生した(関連英文記事)。 このリストはかなり幅広い定義になっており,業界からいくつかの疑問が出てきた。 ― 最も目立つのは「ゲーム障害の犠牲者と余暇をゲームに費やすことにした熱心な消費者を分けるものはなんなのか」というものだ。 GamesIndustry.bizがWHOと連絡を取ったところ,広報担当者はゲーム障害は,ゲーム障害を2つの嗜癖行動の診断項目の一つだと述べていた。これは数年前にICDに追加された賭博障害

    WHO「ゲーム障害に関するきちんと文書化された多くの証拠があります」 - GamesIndustry.biz Japan Edition
  • 「どうぶつの森 ポケットキャンプ」海外評価まとめ

    広く愛されたシリーズの,忠実だが意見の分かれるポケットサイズのリメイク。マイクロトランザクションに毒されている。 どうぶつの森は何年もの間スマートフォンでのリリースが叫ばれていたタイトルだった。しかし,いまそれがついにここにある。どのように取り上げられたのだろうか? シリーズとして見ると,どうぶつの森はほぼ全世界から敬意を持って扱われている。ネット上のネタ文化に燃料を供給しただけではなく,ゲーム界での楽しく暖かいお風呂に相当するものだった。しかしながら,どうぶつの森 ポケットキャンプに対する評価はいささか意見が分かれるものとなっていた。 我々の同僚であるNintendo Lifeは速やかにゲームを賞賛した。Liam Doolanは10点満点中8点を与えている。 「Free-toPlayのタイトルとしてはではありますが,どうぶつの森 ポケットキャンプは期待を超えていました。魅力的で遊びやすい

    「どうぶつの森 ポケットキャンプ」海外評価まとめ
  • 【月間総括】Nintendo Switchの逼迫状態は今年度一杯は続く? 

    まず,前回の「形」仮説について寄せられたご意見についてコメントしよう(関連記事)。それは,「PS2は,DVDプレイヤー+ゲーム機としてお買い得だったから売れたのではないか?」というものであった。「形」仮説は,ゲーム機の成否を決める主たる要因が形であるとしているだけで,このご意見のような傾向を否定していないことはご留意いただきたい。 筆者の主観ではあるが,当時,PS2を発売日に購買したときの印象は斬新なデザインと,ゲーム機でDVDを視聴するという新しいスタイルが驚きだった。 また,Nintendo Switch(以下Switch)であるが,SwitchはWebブラウザなどの機能が実装されていない。発売時点では,ゲーム以外の機能はなく純粋なゲーム専用機である。3DS,Wii Uから見ると,機能的にはグレードダウンし,価格も任天堂の伝統的な据え置きゲーム機より上昇したにもかかわらず人気である。

    【月間総括】Nintendo Switchの逼迫状態は今年度一杯は続く? 
  • 【月間総括】任天堂とソニーの年度決算から見る今後の展開

    今回は,2017年3月期決算について話をしていこう。その前に,詳しいデータに関してはaueki氏が記事にしているので合わせてご参照いただきたい(参考記事)。 任天堂の2017年3月期は,前期比3%減収の4890億円,同11%営業減益の293億円,同75%経常増益の503億円,当期利益1025億円(同6.2倍)となった。 3月に発売した「Nintendo Switch:以下Switch」の寄与はあったものの,Wii Uがライフサイクル末期だったこともあり,全体では減収傾向を反転させるには至らなかった。注目のSwitchの販売台数(着荷)は274万台で,会社計画の200万台,エース経済研究所が想定していた220-240万台を上回った。 この差異は販売開始後,北米での強い需要があることを確認した任天堂が,急遽増産を決め,製品の空輸を実施したためである。通常,チャーター便で空輸を行うと1台当たり数

    【月間総括】任天堂とソニーの年度決算から見る今後の展開
  • なぜかつてピーター・ムーア氏はセガの中 裕司氏に「失せろ!」と言ったのか

    EAを去る同社重役は彼のセガでの日々を振り返り,日企業がどのようにゲーム業界の動乱の予感を見過ごしていたのかを語った。 2月末,正確にはGame Developers Conferenceの中盤にEAのチーフコンペティションオフィサーであるピーター・ムーア氏が同社を離れ,6月に氏にとっては夢の職業である※ Liverpool Football ClubのCEOに就任することが発表された(関連英文記事)。ドリームキャストやXbox 360のローンチ監督やEAブランドの構築への貢献などを含む20年間にわたるゲームビジネスのあと,業界のベテランはGlixelに氏の業界での長年にわたる経験について率直に語っていた(参考URL)。 ※ムーア氏はリバプール生まれで,サッカー選手としてアメリカ移住した経歴を持つ。4Gamerの氏へのインタビューでは毎回サッカーの話題で盛り上がっていたりした ムーア氏

    なぜかつてピーター・ムーア氏はセガの中 裕司氏に「失せろ!」と言ったのか
  • 【月間総括】Nintendo Switchは世界的に好調なるも国内展開は厳しいものになる?

    2017年3月3日,新型据え置きゲーム機「Nintendo Switch」(以下Switch)が発売された。以前,この連載で, (1)2週めまでに50万台生産できなければ,失敗がほぼ確定し (2)発売までの準備が成否を決め (3)それ以降は挽回策に効果がない と指摘した。 日では,初週が約33万台,2週めが約6万2000台,3週め約5万台の計44万台であった。エース経済研究所の想定を大幅に下回る展開となっている。発売4週めに52万台の実売を達成するなど,現状では国内の需要は極めて強いものの,これでもまだ供給が十分に満たされておらず,このままでは国内では求心力を得られず失敗に終わってしまう可能性が高い。 任天堂にヒアリングしたところ,供給量が少ないのは,欧米での受注が強く,欧米を優先したためとの回答であった。つまり,据え置き機の主戦場である欧米を優先した結果,日に投入する台数が減ったとの

    【月間総括】Nintendo Switchは世界的に好調なるも国内展開は厳しいものになる?
  • SuperData調べ:Nintendo Switchの初週全世界販売台数は150万台

    任天堂は全世界で150万台のNintendo Switchを販売したとSuperDataは語る。 調査会社のSuperDataは,ファミ通とGfKのデータを使って,アメリカでは50万台,日では36万台のゲーム機が販売され,欧州を大きく引き離していると語った。データを追跡すると,イギリスで8万5000台が販売されたのに対して,フランスで11万台が扱われていた。 これらの数字のほとんどは発売初週のものだ。現在では数値はさらに伸びているだろう。任天堂は3月末までに200万台のSwitchを販売する目標を掲げており,これらの数値は順調に目標に向かっていることを示唆している。さらに任天堂の財務報告書は販売店への卸売りを計上しているが(SuperDataはほぼ実売と推定している),すでに四半期の目標を達成している可能性もある。 ハードウェアの実績を押し上げているのがなにか分からなかったとしても,Su

    SuperData調べ:Nintendo Switchの初週全世界販売台数は150万台
  • 【月間総括】任天堂のガチャ戦略は成功したのか?

    2017年2月2日,任天堂は新しいスマートフォンゲームアプリ「ファイアーエムブレムヒーローズ」(以下FEH)をリリースした。コンシューマ版の「ファイアーエムブレム」をシンプルなSRRGにしたものであるが,任天堂としては初めて「ランダム型アイテム提供方式」(いわゆるガチャ)を実装したゲームとなっている点が注目されていた。 現在,スマートフォン用ゲームアプリではガチャが主流であるが,システム的にはプレイヤーに大きな錯覚を与えかねないことが問題視されていた。 それは総体数が決まっていないために,「何度引いても確率が一定である」という点である。店頭に設置されている一般的なカプセルガチャは容器に入っている総数が決まっており,試行回数の増加に伴って目的物が得られる確率が上昇する。しかし,デジタルガチャの場合,総体数が決まっていないため,仮に1%の確率で得られるアイテムに対して100回試行しても引ける可

    【月間総括】任天堂のガチャ戦略は成功したのか?