狂牛病(BSE)の人間版とされる「クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)」の診断は現在、患者が亡くなってから遺体の脳組織を検査する方法しかないが、米国の科学者チームが初めてこの病気のバイオマーカー(生物指標化合物)を確認したとオンライン科学誌「PLoS ONE」に発表した。 クロイツフェルト・ヤコブ病は珍しい疾患だが、脳に致命的なダメージを与え、通常、発病から1年以内に死亡に至る。ウシからヒトへは、BSEにおかされた牛肉を食べると感染すると考えられており、治療法はまだない。 研究を行った米ケース・ウエスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)のニーナ・シン(Neena Singh)氏率いるチームは、バイオマーカーを用いた検査法が開発できれば、クロイツフェルト・ヤコブ病の感染拡大や、認知症との誤診を防げると