人様には様々持分と言いますものが有りまして、それぞれ腐心いたすところで御座います。 一人の人間が全て仕切って執り行うなど、それは不可能な事でそれぞれの本手にゆだねるところと成って、お互い不足のところなど補って参ります。 釣り師にいたしましても、何から何まで全て自分で賄うなど出来兼ねる事でございまして、餌なども手持ちぶたさの行きがけの駄賃程度には、自分で調達するところですが、これが毎度毎度の事となりますと大層な労力と言う事に成って参ります。 ここは餌を獲る人運ぶ人、その又餌を使う人などと成っておりますところで、それぞれ便利に折り合いが付いております。 釣り師の釣った魚が、これまた都合よく人様に宛がわれるものでして、魚を釣る人運ぶ人、それを料理に作る人、最後に只々食べる人、等と分かれるもので御座います。 これを見ますと釣り師など、ぽつねんと捨て置かれるところで、とても割に合う置かれようでは御座