熊本の宇土半島 封じ込め成功、根絶目標を21年3月に 熊本県の宇土半島で一時6000匹を超えるほど繁殖し、果樹被害などをもたらしてきた特定外来生物のタイワンリス(別名クリハラリス)が昨年、推定65匹にまで減ったことが駆除を進める地元の連絡協議会の調査で分かった。半島への封じ込めが成功した形で、協議会は「めどが立った」として根絶目標を2021年3月に定めた。専門家は「数千匹を超える外来リスの繁殖群を根絶した例は世界的にもなく、貴重な実践だ」と評価する。 東南アジア原産のタイワンリスは体長約20センチ(尾まで入れると約40センチ)。繁殖力や環境適応力が強く、生態系に大きな被害を及ぼす恐れがあるため05年に特定外来生物に指定された。民間施設などから逃げて野生化した群れが14都府県で確認されており、九州では宇土半島のほか、長崎県の壱岐島と福江島、大分県の高島の3離島に生息している。