タグ

ブックマーク / www.astroarts.co.jp (199)

  • 銀河ハロー部を高速で移動するブラックホール

    【2001年9月14日 STScI-PR01-29 (2001.09.12)】 2001.09.17 update 2000年3月29日にX線観測衛星 Rossi X-ray Timing Explorer (RXTE) により「おおぐま座」に発見された XTE J1118+480 と呼ばれる天体 (VSOLJニュース039を参照) が、銀河系ハロー部 [*] に位置するブラックホール連星であることがわかった。また、超長基線電波干渉計VLBA (Very Long Baseline Array) による観測とデジタイズド・スカイ・サーベイ (Digitized Sky Survey; DSS) のデータから、秒速145キロメートルもの高速で移動していることが判明した。銀河系ハロー部でブラックホールが発見されたのも、ブラックホールの固有運動が測定されたのも、初めてのことであり重要な発見である

    gikazigo
    gikazigo 2018/11/02
  • 衛星「ガイア」のデータから発見、シリウスの隣の新星団

    位置天文衛星「ガイア」の観測データから、これまで検出されていなかった大質量星団が発見された。そのうち1つはシリウスのすぐそばにある。 【2017年11月22日 ヨーロッパ宇宙機関】 18世紀後半、天文学者ウィリアム・ハーシェルと妹カロラインは、全天を600以上の領域に分けてそれぞれの範囲内の星を数え、天の川銀河の形を人類で初めて推定した。それから200年以上の時が過ぎた現在、同じように「領域内の星を数える」手法によって、新しい星団が発見された。 米・カーネギーメロン大学のSergey E. Koposovさんたちの研究チームはこれまで様々な観測のデータを用いて、星団や天の川銀河の伴銀河を探してきた。星が予想以上に密集している領域を見つければ、そこに星団や伴銀河があると考えられる。 昨年公開された、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」の観測データから作られた10億個以上の星を含むカタロ

    衛星「ガイア」のデータから発見、シリウスの隣の新星団
    gikazigo
    gikazigo 2017/11/23
  • 無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」

    ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した無数の銀河の画像中に、複数の小惑星もとらえられていた。スナップ写真などに無関係な人が写り込んでしまう「フォトボム」の、いわば宇宙版だ。 【2017年11月10日 NASA/HubbleSite】 スナップ写真や記念写真に偶然、あるいはわざと無関係な人が写り込む現象や行為のことを「フォトボム(photobomb)」という。天体写真であれば鳥や飛行機、人工衛星などの写り込みがフォトボムと言えるだろう。 その究極版とも呼べるような画像が、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によってとらえられた。メインの観測ターゲットは数十億光年も彼方にある銀河、そこに写り込んでフォトボムを起こしたのは小惑星だ。 HSTは「フロンティア・フィールド」と呼ばれるサーベイ観測の一環として、他の天文衛星や望遠鏡と共に6つの銀河団の観測研究を行っている。以下の画像はそのうちの1つ、くじら座の方向約40

    無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」
    gikazigo
    gikazigo 2017/11/11
  • 銀河団の中心でふらつく大質量銀河

    大質量の銀河団中心銀河が銀河団の重心に対して「ふらついて」いることが明らかになった。この発見は予想外で、現在のダークマターに関する標準理論の予測に反するものだ。 【2017年11月1日 ヨーロッパ宇宙機関】 数百個から数千個の銀河が集まっている銀河団の中心には、非常に大質量の銀河団中心銀河(Brightest cluster galaxy; BCG)が存在している。また、個々の銀河や銀河団全体は、電磁波では観測できないダークマター(暗黒物質)のハローに取り囲まれている。 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、つる座の方向約40億光年彼方に位置する銀河団「Abell S1063」(提供:NASA, ESA, and J. Lotz (STScI)) ダークマターに関する標準的な理論モデル「冷たい暗黒物質モデル」によると、銀河団が合体という激しい現象のあと落ち着いた(緩和した)状態になると、銀河団全体

    銀河団の中心でふらつく大質量銀河
    gikazigo
    gikazigo 2017/11/03
  • 月の地下に巨大な空洞、「かぐや」データなどで明らかに

    月探査機「かぐや」の観測データなどの解析から、月の火山地域の地下に複数の空洞の存在が確認された。そのうち一つは「かぐや」が発見した縦孔から数十kmも延びる巨大なものだ。 【2017年10月18日 JAXA宇宙科学研究所】 月には、かつて溶岩が流れた際に地下に形成された空洞(溶岩チューブ)が存在すると考えられていた。アポロ計画などによる探査では地下空洞の存在は示されなかったが、2009年に日の月探査機「かぐや」が撮影した画像データから、月の表側にあるマリウス丘に通常のクレーターとは異なる縦孔が発見され、地下空洞が開いたものだろうという仮説が立てられた。この縦孔の大きさは直径、深さとも50mほどと推測されている。 マリウス丘の縦孔の位置(提供:JAXA/SELENE) さらに、NASAの月探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」のカメラによる観測で縦孔の底に数十m以上の空間が広がっているこ

    月の地下に巨大な空洞、「かぐや」データなどで明らかに
    gikazigo
    gikazigo 2017/10/20
  • 低温環境で液体のようにふるまう氷

    分子雲に存在する氷である星間氷を模した紫外線照射非晶質氷が、極低温で固体状態ではなく、液体的にふるまうことが発見された。 【2017年10月6日 北海道大学/JAXA宇宙科学研究所】 太陽のような恒星やそれを取り巻く惑星系は、星々の間を漂うガスの濃い領域である「分子雲」から誕生する。分子雲の中では、摂氏約マイナス263度の低温で揮発性元素(水素、炭素、窒素、酸素)が多様な分子を作り、氷(星間氷)としても存在している。 星間氷は、表面で多様な分子を生成したり、氷内の分子の結合が紫外線の照射により切られて複雑な有機物を作る材料になったりしている。こうした有機物は彗星や地球外物質中に発見される高分子有機物の起源と考えられることから、星間氷は要注目の物質だが、これまで星間氷そのものの性質についてはよくわかっていなかった。 北海道大学の橘省吾さんたちの研究チームは実験室で模擬星間氷を作成し、その様子

    低温環境で液体のようにふるまう氷
    gikazigo
    gikazigo 2017/10/07
  • 水星に予想以上の氷が存在

    水星の北極付近に3つの大きな氷の堆積物の存在が検出され、その周囲に氷が斑点状に広がっていることも示された。今後のデータ次第で、水星表面の氷の存在量は劇的に増えるかもしれない。 【2017年9月26日 Brown University】 1990年代に地上からのレーダー観測で、水星の南北の極付近にある複数のクレーター内部に非常に反射率の高い明るい領域が検出された。水星の自転軸はほとんど傾いていないので極付近のクレーター内部は太陽光が当たらない永久影となること、水星には大気がほとんどないため熱が閉じ込められないことから考えると、この明るい領域には氷が存在すると考えられる。水星の昼側は摂氏400度以上の高温の世界だが、太陽光が当たらないところはマイナス150度以下と非常に冷たいのだ。 2011年にはNASAの探査機「メッセンジャー」が水星周回軌道上からの観測で、水星の北極に水の氷の存在を示す中性

    水星に予想以上の氷が存在
    gikazigo
    gikazigo 2017/09/27
  • 銀河衝突で誕生した超大質量ブラックホールのペア

    複数の電波望遠鏡を用いた観測から、銀河同士が衝突・合体すると超大質量ブラックホールのペアが形成されることが確認された。 【2017年9月25日 AAAS】 米・ロチェスター工科大学(発表当時)のDavid Merrittさんたちの研究チームが世界中にある複数の電波望遠鏡を使って、地球から約4億光年の距離にあるペガスス座の渦巻銀河「NGC 7674」を観測した。複数の望遠鏡を組み合わせて仮想的な単一巨大望遠鏡として用いることで、人間の目の約1000万倍も視力の良い、超高分解能が達成された。 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河「NGC 7674」(大きい方の銀河)(提供:NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration and A. Evans (University of Virginia,

    銀河衝突で誕生した超大質量ブラックホールのペア
    gikazigo
    gikazigo 2017/09/26
  • 主星の光を9割以上取り込む黒い惑星

    ぎょしゃ座方向の系外惑星「WASP-12 b」はアスファルトのように真っ黒で、主星からの光の94%ほどを取り込んでしまうことが明らかになった。ホットジュピターに分類される系外惑星の多様性を示す観測結果だ。 【2017年9月21日 HubbleSite】 ぎょしゃ座の方向約1400光年の距離にある系外惑星「WASP-12 b」は木星の1.7倍の半径と1.4倍の質量を持つ巨大惑星だ。主星からの距離が約340万km(太陽~地球の約45分の1)しかないため、昼側の大気は摂氏2500度と高温になっている「ホットジュピター」の一つである。 カナダ・マギル大学のTaylor Bellさんたちの研究チームがハッブル宇宙望遠鏡(HST)でWASP-12 bを観測したところ、この惑星は光をほとんど反射せず、舗装されたばかりのアスファルトのように真っ黒で、惑星大気へ降り注ぐ主星からの可視光線のうち94%以上が取

    主星の光を9割以上取り込む黒い惑星
    gikazigo
    gikazigo 2017/09/22
  • 11年ぶり、最強クラスの太陽フレアが発生

    時間9月6日、大規模な太陽フレアが2度にわたり発生した。とくに21時ごろのフレアは11年ぶりとなる最強クラスのフレアで、この現象に伴う太陽風の乱れが8日の夜ごろ地球に到来すると予測されている。 【2017年9月7日 NASA/宇宙天気ニュース/情報通信研究機構】 9月6日18時ごろ(日時間、以下同)、太陽表面の南西の活動領域(黒点群)2673で大規模フレアが発生した。太陽フレアの強度はピーク時のX線強度によって弱い方からA、B、C、M、Xに分類されるが、このフレアの強度はX2.2で、2015年5月5日以来2年4か月ぶりのXクラスのフレアだった。 さらに同夜21時ごろ、同領域でいっそう激しいX9.3の大規模フレアが発生した。最強であるXクラスのフレア強度が9以上に達したのは、2006年12月5日以来11年ぶりである。 太陽観測衛星「SDO」がとらえたX9.3の大規模フレア(右下の明るい

    11年ぶり、最強クラスの太陽フレアが発生
    gikazigo
    gikazigo 2017/09/08
  • 表面と大気が詳細に観測されたアンタレス

    ヨーロッパ南天天文台のVLT干渉計で赤色超巨星「アンタレス」が詳細にとらえられた。太陽以外の恒星で大気中の物質の速度分布図が作成されたのは初めてのことだ。 【2017年8月29日 ヨーロッパ南天天文台】 夏の宵空に見えるさそり座の、心臓の位置に赤く輝く1等星「アンタレス」は、一生の終わりを迎えつつある低温の赤色超巨星だ。質量は太陽の12倍、大きさは太陽直径の700倍ほどもあると考えられている。 チリ・カトリカ・デル・ノルテ大学の大仲圭一さんたちの研究チームは、チリ・パラナル天文台に設置されているヨーロッパ南天天文台のVLT干渉計(VLTI)を使ってアンタレスを観測し、表面の物質の動きを計測した。VLTIは最大4基の望遠鏡を組み合わせて差し渡し最大200mに相当する仮想望遠鏡として機能し、単独の望遠鏡をはるかに超える高解像度を実現することができる。 観測から、太陽以外の恒星の表面と大気をとら

    表面と大気が詳細に観測されたアンタレス
    gikazigo
    gikazigo 2017/08/30
  • 「衝撃的」な太陽系の起源

    太陽系の形成が超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたとする、長年の理論を支持する研究成果が発表された。 【2017年8月14日 Carnegie Science】 太陽系の形成は超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたと考えられている。爆発した星から放出された物質が衝撃波によって周囲の塵やガスの雲に注ぎ込まれ、その雲が重力崩壊して太陽と惑星が形成されたという理論だ。 この太陽系形成理論を確かめるうえで重要なのが隕石だ。隕石には太陽系の形成初期に存在していた元素や放射性同位体、化合物などの記録が残っており、とくに炭素質コンドライトには、最も原始的な物質がいくつか含まれている。こうしたコンドライトを構成する要素で興味深いのは、寿命の短い放射性同位体だ。 米・カーネギー研究所のMyriam Telusさんは、そうした放射性同位体の一つである鉄60に関する分析を行った。太陽系内のすべての鉄60は

    「衝撃的」な太陽系の起源
    gikazigo
    gikazigo 2017/08/15
  • 最も詳細なダークマターの分布図

    2600万個の銀河の観測から、宇宙マイクロ波背景放射の観測に匹敵する精密さでダークマターの分布図が作られ、宇宙のほとんどはダークマターとダークエネルギーで構成されているとする説を支持する結果が得られた。 【2017年8月10日 Fermilab/NASA JPL】 米・フェルミ国立加速器研究所のダークエネルギー・サーベイ(DES)研究チームが行った研究で、現在の宇宙におけるダークマターの量と分布がこれまでで最も正確に観測された。観測衛星「プランク」による宇宙マイクロ波背景放射の観測に匹敵する精密さのデータが得られている。 DESは主に、チリのセロ・トロロ汎米天文台ブランコ4m望遠鏡に設置されている570メガピクセルのダークエネルギーカメラで観測を行っている。今回発表されたダークマターの分布図は全天の30分の1の領域をカバーしたもので、重力レンズ効果を利用して2600万個の銀河の形を正確に観

    最も詳細なダークマターの分布図
    gikazigo
    gikazigo 2017/08/12
  • クジラ銀河の周りに見つかった多くの「銀河の化石」

    すばる望遠鏡の観測により、クジラ銀河の周りに「銀河の化石」ともいわれる恒星ストリームや矮小銀河が見つかった。銀河の歴史を解明する上で重要な手がかりとなると期待される。 【2017年8月8日 東北大学/国立天文台】 大きな銀河は長い年月の間に矮小銀河がたくさん集まることによってできたと考えられている。矮小銀河が親銀河と合体するときには潮汐力によって形が壊され、ばらばらになった星々は元の矮小銀河の軌道に沿って筋状に分布していく。この「恒星ストリーム」はこれまでに天の川銀河やアンドロメダ座大銀河で確認されており、「銀河の化石」として銀河の歴史を解明する上で重要な情報源となる。 東北大学の田中幹人さんたちの研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(HSC)を使って、「クジラ銀河」という愛称で知られるりょうけん座の渦巻銀河NGC 4631とその周りを観測した

    クジラ銀河の周りに見つかった多くの「銀河の化石」
    gikazigo
    gikazigo 2017/08/10
  • 天の川銀河の物質の半分は別の銀河からやってきた

    スーパーコンピューターによるシミュレーションから、天の川銀河の物質の半分は遠い銀河からやってきたらしいことが示された。私たちの体の一部も銀河外物質からできているのかもしれない。 【2017年8月3日 RAS】 米・ノースウェスタン大学のDaniel Anglés-Alcázarさんたちの研究チームがスーパーコンピューターで銀河形成のシミュレーションを行い、銀河を作る物質の流れを追ったところ、天の川銀河などを構成する物質の半分は「銀河間の物質輸送」によって外からやってきたらしいことが示された。 天の川銀河のような渦巻銀河「M101」(提供:NASA) 小さい銀河で発生した超新星爆発で銀河のガスが吹き飛ばされ、そのガスが銀河風に乗って大きい銀河へと到達するという過程を経て物質の移動が起こるという。銀河同士は遠く離れているため、銀河風が秒速数百kmで広がっていくとしても物質の移動には数十億年もの

    天の川銀河の物質の半分は別の銀河からやってきた
    gikazigo
    gikazigo 2017/08/04
  • ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた火星の衛星「フォボス」

    【2017年7月26日 NASA】 フットボールのような形をした火星の第1衛星「フォボス」は、大きさが26.5×21.7×17.7kmで、太陽系内の最も小さな衛星の一つだ。公転周期は7時間39分と火星の自転周期(約24時間40分)よりも短いため、フォボスは火星の1日の間に3回、西から昇り東へと沈む。惑星の1日よりも短い周期で惑星の周りを回っている衛星は、太陽系内では唯一フォボスだけだ。 2016年5月の火星の地球最接近のころにハッブル宇宙望遠鏡がとらえたフォボス。22分間に撮影した13枚の画像から作成された動画(提供:NASA's Goddard Space Flight Center) フォボスは1877年8月17日に、当時計画的な火星の衛星探しを行っていたアメリカ海軍天文台のアサフ・ホールによって発見された。ホールはフォボス発見の6日前に、フォボスより小さく外側を公転する衛星「ダイモス

    ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた火星の衛星「フォボス」
    gikazigo
    gikazigo 2017/07/27
  • 天の川銀河の中心部に複数の「野良ブラックホール」候補

    天の川銀河の中心にある「いて座A*」の周辺に、異常な速度をもつ小さな分子雲が発見された。孤立した「野良ブラックホール」が巨大分子雲に高速で飛び込み、重力で引き寄せられた部分が局所的に加速された結果とみられる。 【2017年7月20日 慶応義塾大学】 天の川銀河内には、太陽の数倍から十数倍の質量を持つ軽いブラックホール(恒星質量ブラックホール)が数億個存在すると理論的に予言されているが、これまでに発見されている候補天体の数は60個ほどしかない。その理由として、多くのブラックホールが伴星を持たず孤立した、いわば「野良」であるためとみられている。恒星質量ブラックホールはその周囲に広がる降着円盤から放出されるX線を検出することで発見されてきたが、降着円盤を継続的に輝かせるためにはブラックホールのすぐ近傍に物質供給源となる伴星が必要だからだ。 慶應義塾大学の竹川俊也さんらたちの研究チームは、東アジア

    天の川銀河の中心部に複数の「野良ブラックホール」候補
    gikazigo
    gikazigo 2017/07/24
  • 消滅しつつある「こぐま銀河」

    大きな銀河によってガスが引きはがされ崩壊しつつある矮小銀河がとらえられた。この矮小銀河は、近傍宇宙で知られている最も原始的な天体の一つで、化学元素を調べることで誕生直後の宇宙の構成に関する情報が得られるかもしれない。 【2017年7月10日 W.M. Keck Observatory】 おおぐま座に位置する小さな銀河であることから「こぐま銀河(The Little Cub galaxy)」とも呼ばれる矮小銀河「SDSS J1044+6306」と、その隣に位置する大きな銀河「NGC 3359」は、地球から約5000万光年の距離に位置するペアだ。両銀河の間は約20万~30万光年離れている。NGC 3359ははっきりとした腕を持つ大きな渦巻銀河で、1000億個以上の星を含んでいる。一方のこぐま銀河に存在する星はその1万分の1ほどしかない。 NGC 3359(左)と、こぐま銀河から引きはがされてい

    消滅しつつある「こぐま銀河」
    gikazigo
    gikazigo 2017/07/11
  • 衛星「エンケラドス」周囲に大量のメタノール

    地上からの観測としては初めて、土星の衛星「エンケラドス」の周囲でメタノールが検出され、エンケラドスから噴出して宇宙空間へ飛び出した物質が複雑な化学変化を起こしている可能性が示された。 【2017年7月7日 RAS】 土星の衛星「エンケラドス」の南極には大きなひび割れが存在し、そこから蒸気や氷の結晶が噴出している。蒸気や氷の供給源は地下に存在する海だと考えられている。また、噴出した氷の粒や塵によって、土星の環のうち外から2番目にあるE環が形成されている。 土星のE環とエンケラドス(提供:NASA / JPL-Caltech / Space Science Institute) 土星探査機「カッシーニ」はエンケラドスの噴出の中を飛行し、メタノールをはじめとする有機分子を検出してきた。そして、最近の研究から、地球の海とエンケラドスの噴出には同程度の量のメタノールが存在することが明らかになった。

    衛星「エンケラドス」周囲に大量のメタノール
    gikazigo
    gikazigo 2017/07/10
  • 木星は太陽系の最古参

    鉄隕石に含まれる同位体の調査から木星の核の形成年代が初めて明らかになり、木星が太陽系内で最も古い惑星であることが示された。 【2017年6月19日 Lawrence Livermore National Laboratory/Institut für Planetologie, Universität Münster】 木星は太陽系で最大の質量を持つ惑星だ。その重力によって他の天体に大きな影響を与えるため、木星が太陽系の歴史においてどの段階で形成されたのかを知ることは、太陽系がどのようにして現在の姿に進化したのかを理解する鍵となる。木星は比較的初期に形成されたことがモデルから予測されてきたが、これまでその形成年代は明らかになっていなかった。 木星(提供: NASA) 米・ローレンス・リバモア国立研究所と独・ミュンスター大学・惑星学研究所の研究チームは木星の形成年代を明らかにするため、鉄隕石

    木星は太陽系の最古参
    gikazigo
    gikazigo 2017/06/20