通行人に箱入りティッシュを売って歩く女児。制裁による景気悪化で、足を止める人はめっきり減った=テヘラン中心部の革命広場近くで2012年10月、鵜塚健撮影 通行人でごった返すテヘラン中心部の「革命広場」。小学1年生のザフラーさん(13)は授業が終わると毎日ここへ「出勤」する。夕方まで売り歩くのは、14世紀のイランの大詩人ハーフェズの言葉を引用した人生占いだ。 「最近はさっぱり売れないの」。1枚5000リヤル(約15円)。昨年この仕事を始めたころは1日20枚以上売れたが、今は10枚程度にとどまる。 ザフラーさんはテヘラン南部に祖母(60)と暮らす。父は病死し、母は家を出たまま戻らない。昨年までは靴工場で1日12時間働いていた。借家の家賃は「家主にまけてもらっている」が、病弱な祖母の薬代が必要だ。しかし米欧諸国の制裁の影響で、医薬品が品薄になり価格が急騰。市民の財布のひもは固くなり、占いも売れな