【ワシントン平地修】米金融大手、JPモルガン・チェースが、金融派生商品(デリバティブ)の取引で20億ドル(約1600億円)の巨額損失を発表し、波紋が広がっている。リーマン・ショックにつながった金融市場の混乱でも大きな痛手を受けず、米金融界の「優等生」だった同社がリスク管理の不備を露呈したことで、米政府による金融規制の流れがより強まるとの観測も浮上している。 JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は10日、急きょ開いた電話会見で巨額損失を明らかにし「欠陥のある戦略と実行で、監視もお粗末だった」と過ちを率直に認めた。 損失の対象は、融資の焦げ付きなどの損失を回避するための「クレジット・デフォルト・スワップ」(CDS)と呼ばれるデリバティブ商品で、最高投資戦略室という一部門が売買を担当。わずか6週間で損失が20億ドルに上った。 損失が欧州債務危機と関連するのかなどの詳細を同社は明ら