【ソウル=加藤達也】靖国神社の春季例大祭にあたり安倍晋三首相が真榊(まさかき)を奉納、麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が参拝したことに、韓国政府が反発、尹炳世外相の訪日を中止した。今回の対応は、自ら参拝せず供物の奉納にとどめた安倍首相の“配慮”も、韓国には通じないことを改めて示した。 韓国の聯合ニュースは韓国外務省当局者の話として、外相訪日の目的を「(日韓)新政権間の大きな(外交の)方向性を設定するのが目的だった」と伝えている。設定されるべき「方向性」には北朝鮮や経済、領土をめぐる問題などが含まれるとみられる。 日韓の間では、李明博(イ・ミョンバク)前大統領による竹島への上陸で悪化した関係の改善模索が続いていた。だが、両国の政権交代を機に進むはずだった信頼関係の構築は、まだ入り口にも立てていない。 韓国の朴槿恵新政権は、人事のもたつきで組閣が大幅に遅れた。混乱の中、国民生活改善のための経済政