奈良市の平城京跡から出土した奈良時代の土器に描かれた文様が、朝鮮半島の伝統的なすごろく「ユンノリ」の原型とされる「樗(ちょ)蒲(ぼ)(和名・かりうち)」の盤面とみられることが分かり、奈良文化財研究所が21日、発表した。土器を盤に遊んだとみられ、担当者は「古代の娯楽に新しい事例が加わる貴重な発見」としている。 ユンノリは、4本の木の棒を転がして出た目に応じ、コマを進めるゲーム。奈良時代には朝鮮半島から伝来したとされる。 文様が確認された土器は直径19・6センチ。奈文研が昭和61年~平成元年に実施した発掘調査で、長屋王邸宅跡北側で出土した。直径8センチの円と、それを6分割する点状の線が引かれ、すごろくのスタート地点とみられる「出」の字があった。