森毅/竹内啓『数学の世界 それは現代人に何を意味するか』 安西祐一郎『問題解決の心理学 人間の時代への発想』 稲垣佳世子/波多野誼余夫『人はいかに学ぶか 日常的認知の世界』 中公新書について書く機会をいただいた。私は新書と文庫で育った人間なので(若い頃、高い学術書はいろんな意味で手が届かなかった)、思い出す中公新書は数え切れないほどある。しかし3冊を選ぶ、という約束なので、ここでは、自分が書いたり考えたりしているもののきっかけとなることで、今の読書猿をつくってくれた中公新書たちを取り上げたい。 『数学の世界』(通巻番号317)は、性向も文体も読者層もまるで異なると思われる二人、森毅と竹内啓を会わせる(合わせる)企画が愉快である。 対談、座談の多い印象のある森だが、この本はその中でも出色の一品。大抵の場合、森毅のキャラクターが場の空気を制圧して、対談全体がゆるくホニャララなものになってしまう
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