出版社、書店がともに苦しむ中、独り勝ちしているのがアマゾンジャパンである。『通販新聞』によれば2007年6月期~2008年5月期の年商は約2200億円で、前年度に比べて37.5%も伸びている。このうち書籍が何%あるのかは不明だが、紀伊国屋書店の約1198億円、丸善の約1025億円よりも多いのは確実で、すでに日本最大の書籍小売業者である。 また、新古書のブックオフコーポレーションも、年商は右肩上がりで伸びており2008年3月期は約505億円となった。前年度に比べて9.2%増だ。つまり、従来の書籍流通のアウトサイダーにあった通販業者や新古書業者ばかりがもうかっている構図が見える。 出版業独特の構造として、出版社と書店をつなぐ役割がある「取次」と呼ばれる卸売業大手2社の規模が巨大である点が挙げられる。2008年3月期の日本出版販売(日販)の売上高が6471億900万円、トーハンの売上高は6189