疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。その状況が長引くにしたがってDVが増えた。出かけないからDVが起きるというより、問題ある場所が閉じられてさらに問題が濃縮されたという図式である。そういう数字を認識するだけでしんどい。人づてに、あるいはペンネームあてのメールでその種の話を聞くたびに「お役に立てればいいのですが」と思う。 思うのだが、私は実際にはまったくお役に立てない。ペンネームあてのメールではもちろん、親しい人からの「友だちがDVに遭っているようなのだが、どうしたらいいだろうか」といった相談に対しても、実は役に立てていない。私ができることはふたつしかないからだ。 ひとつ。相手の発言内容からそうだと推定したときには、「それはDVだと思います」と言う。ひとつ。被害にあっているとおぼしき人の居住地域にある相談窓口のリストや参考になりそうな文献リストを送る。以上。