生まれつき全盲というハンディキャップを背負いながら、クラブDJを目指す女性がいる。都内の大手企業で電話交換手をしながら、DJスクールで修業中の、はがくみこさん(38)だ。障害が理由で実力を披露する場がない、という状況に直面するが、少しずつ彼女の才能にチャンスを与える動きが広がっている。 ここでいうDJは、ラジオなどで選曲とトークを行うのではなく、曲と曲をつなぎ、編集のテクニックで独自の作品を提供するクラブDJのこと。はがさんがDJを目指すきっかけとなったのは、小学校高学年のとき、ラジオのFENで偶然聴いたダンスミュージックだった。 「ピンクレディーよりも英語の方がかっこいいなって、自然と身体が動いちゃいました。以来、親がいないときに部屋でこっそり踊ってました」 何度も繰り返して聴くうち、ディスコに行きたいと思うようになった。 「18歳で初めて友達と新宿のB&Bというディスコに行きました。全