大手百貨店5社が2日発表した10月の売上高(速報値)は、前年同月比6・9〜13・1%減と引き続き全社が前年割れとなった。根強い消費不振から主力の衣料品や宝飾品などの高額品の販売低迷が続いているほか、台風の影響で前半の客足が落ちたことも影響した。リーマン・ショックで急激に消費が冷え込んだ時期との比較となるため、下落率の改善も期待されたが、依然として低空飛行から抜け出す兆しはみえない。 10月は日本百貨店協会の主催で業界を挙げた初の販売促進キャンペーンが実施されたが、節約志向が強まる中で十分な押し上げ効果はなかったようだ。 減収幅が最も大きかったのがJ・フロントリテイリング傘下の松坂屋。9月との比較では減収幅が1・0ポイント改善したものの、4カ月連続で2けたの落ち込みとなった。名古屋、静岡地区の店舗の売り上げが、台風の影響で振るわなかったほか、法人外商の大口受注が不調だった上野店も売り上げ