令和に入り、和装の人を見かけることがますます少なくなってきた日本。着物はごく限られた人だけの贅沢品のような存在になりつつあるのかもしれません。 着物は古来より脈々と受け継がれてきた日本の伝統衣装です。ですが、日本に生まれながら、なぜか日本人は着物を着ていません。「着物には日本人がもつ豊かな感性や、伝統を愛する和の心が詰まっているのです」と残念がるのは、山陰地方で5店舗の呉服店を経営する池田訓之さん。もっと気楽にもっと自由に着物を楽しんでほしいと言います。 そこで、今回は池田訓之さんの著書『君よ知るや着物の国』から、海外での着物をはじめとした日本文化への評価や、着物そのものの楽しみ方をご紹介。着物の新たな魅力を教えてもらいました。 箪笥の奥にしまったままの着物、一度も手を通さずにいる着物、そんな着物にいま一度、目を向けてみませんか。 文/池田訓之 日本とヨーロッパの着物愛には不思議な温度差が