展示してあったものは18世紀の家具が中心で、なかには17世紀のものも混ざっていました。日本でいえば江戸時代の前・中期にあたる時代のものになりますよね。 椅子やチェストなどは比較的保存状態もよいものでしたが、風雨にさらされたはずの扉などはだいぶ朽ちて装飾も削れていました。 それでも、それが味になるのが木材のよいところではないかと感じます。ちょっとわかりにくですが、このパンフレットに載った教会用ベンチなども装飾が削れかえているところが、非常によい雰囲気になっています。 日本の古い家具や朝鮮・李朝の家具などのもつ繊細さはありませんが、逆にその幾何学的モチーフで形作られた佇まいには厳格な思考や信仰の積み重ねを感じさせる力強さがあります。 「西洋では英国のものを、東洋では朝鮮のもの」として、英国の家具を高く評価していた柳は、西洋の家具について次のように述べています。 「時代をゴシックあたりまで遡らす