太平洋戦争下,豊かな国際感覚と幅広い交友をもとに,当時の政治・経済状況や身辺の生活をいきいきと記した希有な記録(原題「戦争日記」).外交評論家・清沢洌(一八九〇―一九四五)は,将来日本現代史を書くための備忘録として,この日記を書きつづけたが,その鋭い時局批判はリベラリズムの一つの頂点を示している.人名・事項索引を付す. 名前だけは以前から知っていた本で、ずっと戦中の日記なんて読んでも実感としてはわからんだろうとスルーしていた(『きけ わだつみのこえ』(amazon)を若いときに覗いて得た実感に基づく)のだけど、政治がとち狂い続けている現状なら、逆に面白く読めるのではないかと思って手に取った。直接的には『流言・投書の太平洋戦争』(感想)に出てきた引用を読んだのがきっかけだったような気がする。戦争が終わったら書こうと思っていた著作の準備として記された日記で、戦争が終わるより早く著者が亡くなって