1日付で菅義偉首相に任命された日本学術会議の新しい会員について、同会議が推薦した候補者6人が含まれていないことが、会議関係者への取材で分かった。会員の任命は首相が行うが、同会議が推薦した候補者が任命されなかったのは初めて。任命されなかった学者からは「学問の自由への乱暴な介入だ」と批判が出ている。 【画像】記者会見に臨む菅義偉官房長官(当時)が持つ書類には、「総理やじ」「北村大臣」などの印がついていた=2020年2月13日午前11時11分、岩下毅撮影 会議の会員は210人。任期は6年で3年ごとに半数が交代する。日本学術会議法によると、会員は会議が候補者を選考して首相に推薦し、推薦に基づいて首相が任命する。事務局によると、推薦した候補者が任命されなかった例は過去にないという。 同会議は1日、新会員99人を発表した。複数の関係者によると、会議は8月末、政府に105人を推薦したが、うち6人が任命さ