「今のような厳しい経済情勢でもモチベーションを高く保っている組織には、どのような特徴があるのでしょうか」。先日、ある講演の際に参加者からこんな質問を投げかけられた。私は間髪入れず、「成長欲求の旺盛な人が多い組織です」と答えた。成長欲求とは、なんとも抽象的な言葉である。今回は、この成長欲求について考えてみたい。 メンバーが成長したくなるとき ここで言う成長欲求とは、読んで字のごとく「仕事を通じて自分の意識や行動、スキルを高めたい」という気持ちのことである。成長欲求が強い部下は、仕事に対するやる気が高いだけでなく、逆境にもめげない。次から次へと迫り来る環境変化を楽しく感じられるようになるからだ。「この環境変化は自分が成長するチャンスだ」とポジティブに考え、難局を乗り越えようとするのである。 例えば、システムにトラブルが発生してユーザーに呼び出されたときをイメージしてほしい。そんなとき、成長欲求