近年「仮想化」や「マルチコア」といった技術が注目を浴びている。書店に並ぶ書籍や雑誌、インターネットのニュース、プロセッサ関連の講演などでは、これらのキーワードをよく目や耳にする。 仮想化はITサーバー分野ではすでに当たり前となりつつある技術であり、例えば低価格でのホスティング・サービスを実現する手段として用いられている。一方のマルチコアも、かつては一部の高性能なプロセッサのみに限られていたのに対して、現在では半導体の微細化に伴い、ボリューム・ゾーンのプロセッサにも適用されている。しかも当時の高性能品でもせいぜい2~4コアだったものが、今では4コアや8コア、場合によってはそれ以上といった「メニーコア」のプロセッサが登場している。このような仮想化やマルチコアといった技術によって、今までとは異なる思想に基づくシステムが実現されつつある。 仮想化とは何か 仮想化の概念を図1に示す。仮想化は今に始ま