ぷらっと沿線紀行(48) ビルが立て込む市街地、ニュータウン、田畑、杉に囲まれた山中……。特急「こうや」の車窓の景色は目まぐるしく変わる。 山あいの鉄橋を渡る特急「こうや」。車窓は杉の緑で満たされ、アクセントに山桜が見えた=和歌山県九度山町遍照光院で勤行に参加した後、仏像の解説を聞く外国人観光客ら「お大師さまが今もおられる」という奥の院への参拝を終えたお遍路さんたち=いずれも和歌山県高野町山間部に入ると電車は急な坂をくねくねと上っていく=和歌山県九度山町昭和30年代に作られた観光案内図が残る汐見橋駅=大阪市浪速区 大阪から高野山へ至る全長約65キロの南海電鉄高野線。山梨県出身の「鉄道王」、東武など関東中心に24社の経営にかかわった根津嘉一郎なくして、その開通は成し得なかった。 1896(明治29)年に設立された前身の高野鉄道は大阪府内で開業したが、経営不振で和歌山県へ抜けるトン