富士山麓に本拠を構えるファナック。工作機械のNC(数値制御)装置はシェア5割超で世界トップ。利益率4割、無借金の超優良企業だが、情報開示に消極的なため、ベールに包まれていた。 ところが最近、姿勢が急変。突如、株主との対話を重視する方針を打ち出し、SR(シェアホルダー・リレーションズ)部を新設した。4月28日の決算では配当性向を従来の3割から倍増させると発表。”豹変”の背景には、いったい何があったのか。稲葉善治社長を直撃した。 ──変化の背景に何が? もともと、秘密主義ではない。だいぶ誤解されているが、単に時間を割くのが惜しかっただけで、配当性向の拡大や社外取締役の増員などは考えていた。 ただ、栃木県・壬生の新工場や研究所拡張の計画に時間を取られて、手が回らなかった。社員も少ないために、優先順位の高いものから片付けてきた。現在進行形のものも、たくさんある。 ──4年ぶりに本社で開いた4月28
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