信じられない光景だった。巨人・松井秀喜臨時コーチ(39)がなんとノックで空振りした。ヤンキースでワールドシリーズМVPにも輝いた世界一の大打者が…。なぜこんな珍現象が起きるのか。日本一の名ノッカー阪神・高代延博内野守備コーチ(59)に聞いてみると、その答えは意外なものだった。 「ああ、それは有り得ますねえ」。高代コーチは、松井のノック空振り現象に、大して驚いていなかった。「結構いるんですよ。選手にノックやってみろってやらせると、すごい打者でもできないってのは良くありますよ」。 へえー。ノックは別に150キロの球を打ち返すわけではない。フォークやスライダーでタイミングを狂わせられることもない。自分が打ちやすいように、ひょいとトスするように上に投げて打つだけ。草野球のおっちゃんでも、子供にだってできる。 「実はノックのできない人ってのは、スイングの問題ではなくて、トスがうまく上げられない