『流行り歌に隠されたタブー事件史』という本の中で、『世界に一つだけの花』が取り上げられてた。この記事でゲラゲラ笑っちまったので、怒られない程度に少し引用。■ 国民的ヒット曲の "クィア" なシークレット・メッセージ (舌津智之)少なくともまず、この歌のジェンダー意識は社会の規範に収まっていない。〈僕ら〉と性別を限定する代名詞を使い、男性主体の目線を強調しておきながら、その〈僕ら〉が〈花〉だというのである。通常は女性を連想させる〈花〉に自己投影する語り手は、歌の冒頭、〈いろんな花を見ていた〉と話を切り出すが、〈花〉=〈僕ら〉という文脈に即すなら、これは、〈きれい〉な人間の品定めをする眼差しにほかならない。その美しさが身体的であれ精神的であれ、〈花〉に注がれる視線には、そこはかとないホモエロティシズムが漂う。語り手はさらに、花屋の〈バケツ〉に入れられた花たちを賛美する。つまり、人目を引かない卑