最新の「ビッグイシュー日本版」95号を読んだ。上山和樹と斉藤環の往復書簡の形をとる「ひきこもり社会論」が、48回を迎えているが、いよいよ危ない感じ。 前の47回では、上山さんが、斉藤さんの「精神科医として20年以上、考察・検討してきた」という一文を批判している。上山さんは、25年以上前に不登校に苦しみ始めたが、公的な場で「ひきこもりの経験者」として当事者活動を始めたのは7年前である。上山さんは「ここで私のキャリア計算は、どうすればよいと思われますか?」と問う。ひきこもり当事者は長いほうが(重症とみなされて)珍重されやすい。だが、実際の社会生活していくとなれば、その長さはネガティブなものとみなされる。当事者としてのポジティブな評価と、生活者としてのネガティブな評価が反比例する。この状況において、自己評価をあげるためにキャリアを持ち出す専門家(斉藤さん)と、キャリアとスティグマが表裏一体となる