古代の障害児、見捨てられていなかった 2009年3月31日(火)19:55 (Photograph courtesy the National Academy of Sciences, PNAS) 頭蓋が変形している最古の子どもの骨が発見された。この発見により、初期人類が障害児をすぐに見捨てたり、殺したりしていたという俗説が間違っている可能性が示された。 多くの哺乳動物は、重度の奇形が見られる新生児の育児を放棄することが知られている。したがって科学者たちは、古代の人類も同じような行動を取っていただろうと考えていた。 しかし、今回発見された53万年前の頭骨の化石は、まれな先天異常を持っていたにもかかわらず10才頃まで生きていた子どもの骨と判明した。頭蓋縫合早期癒合症(ずがいほうごうそうきゆごうしょう)という障害で、頭蓋を構成する複数の骨が早期に癒合し、脳の発達が妨げられてしまう病気である。