グローバル化した韓国式中華料理 ――再現地化する食―― はじめに 食のグローバル化について語るとき、リッツアが提唱した「マクドナルド化」の議論がしばしばあがってくる(1)。本来、マクドナルド化で注目されるのは、マクドナルドがグローバル化し、全世界的に普及するのにともなって、マクドナルド戦略の特徴である効率化、均一化、マニュアル化、メニューの予測可能性(後述)を含む合理化が、世界各地に文化として根づいていったという議論である。これも細かくみれば何をもって効率とするのかに始まり、マニュアル化の仕方などにも地域差があるなどローカル化から完全に自由でなく、マクドナルド化という現象自体にもローカル化が不可避であることがわかる。ところが、リッツアが指摘したマクドナルド化のなかでも、とくにマクドナルドの商品であるハンバーガーという一部だけに着目し、ローカル化を指摘する傾向がみられる。 これら特定の食に対