ルンペン放浪記病に倒れて以来、『ルンペン放浪記』はやめて別のタイトルにしようと思ったが思いつかず、ただ単に日々の想いを、ここに綴って置くことにした。 その年、ホームレスのシマで、殺人事件がつづいた。 ひとつは、新聞にも出たが、つまらない刺殺事件だ。 事件は明け方起こった。 箸の上げ下ろしから、喋り方、歩き方と、何から何までそりの合わないホームレス同士が、親元を逃げ出してきた、へんてこりんないねーちゃんを取りあって、何かともつれ、そのねーちゃんがいなくなった午前四時、ひょんなことら「てめえが消えちまえばよかったのに」「お前がおっぱいさわったからだぜ」と、いつもの、ののしりあいがはじまり、殴り合いでケリがつくまでおさまらなくなった。そして、よくあることだが、ぼろっかすにぶちのめされたほうが、虫の息の身で、やにわに包丁をとって、どすんと刺しを入れ、あとはめくら刺しをくれて、やがて血の海のなかへへ
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