「あなたはオウム真理教にどうして入ったんですか」とよく聞かれる。 僕がオウム真理教と本格的に出合ったのは、1991年11月、京都大学での講演会だった。そこで僕は、この教えこそ、自分がずっと探していたものだったということを確信した。 では、なぜそう思ったのだろうか。それを説明しようと思えば、自分が生まれてからどのような環境で育ち、どのようなことを考え、そしてどのような経験を重ねてきたのかということと切り離して語ることはできない。 一人の、平凡じゃないかもしれないけどやはり日本人としてこの国に育った僕が、どうしてオウムに入ったのか。そして、あんな事件があったのに、なぜ今もアレフの出家者として修行生活を続けているのか。その理由が何となくわかってもらえるかもしれない。 PART 001●京大11月祭 その講演を聞きに行こうということはしばらく前から固く決心していた。なぜなら…… PART 002●