「ノルマ達成のために不正行為を示唆された」「営業成績を上げろという上司のパワハラがひどい」――。全国で23万人強を数える生命保険会社の営業職員から、こんな声が続出している。営業職員の約9割は「生保レディ」と呼ばれる女性たちだ。正社員として採用されるが、実態は個人事業主で、経費などは自己負担。きついノルマがあり、目標未達の場合は給与が下がったり、解雇されたりする。背景には「大量採用・大量脱落」が半世紀以上も放置され、労働環境の改善が進まなかった事情がある。問題の解決に向けてストライキなどを起こそうとしても、入れ替わりが激しい職場のため働き手の団結も難しい。そんな現場を取材した。(取材・文:鳥海ケイタ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 2022年8月、うだるように暑い日だった。首都圏に住む40代の飯田美保さん(仮名)は、再就職に向けた職業訓練の説明を聞くため、地元のハローワークに